障害者雇用成功企業が実践!障害者求人で知っていて損はない5つの活用術[2/2]

障害者雇用成功企業が実践!障害者求人で知っていて損はない5つの活用術[1/2]

2018.02.16

前回に引き続き、「障害者雇用成功企業が実践している障害者求人で知っていて損はない5つの活用術」についてお話しします。

③ バカにできない助成金制度

障害者の採用や雇用に活用できる助成金制度があります。大きくは2種類。厚生労働省が管轄する助成金と独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構が管轄する助成金に分かれています

もう少し、ご説明すると厚生労働省の管轄は主に「障害者の雇い入れ」に対して受給できる内容となります。

・特定求職者雇用開発助成金
・障害者トライアル雇用
・ファースト・ステップ奨励金
・発達障害者雇用開発助成金
・精神障害者ステップアップ等雇用奨励金   など

例えば、「ファースト・ステップ奨励金」とは、障害者の雇用未経験の中小企業が初めて採用をする場合に申請することができる助成金制度で、助成金額は100万円となっています。

もうひとつの独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構から受給できる助成金は「障害者の雇用継続」を実現させるための内容となっています。

・障害者作業施設設置等助成金
・職場適応援助者助成金
・重度障害者等通勤対策助成金
・障害者能力開発助成金    など

例えば、下肢に障害のある従業員が勤務する際に設備として必要となるスロープや障害者用トイレの設置をすることで雇用の維持させるために活用できる助成金制度で、助成金額は設備設置等に掛かる費用の2/3または上限150万円までとなっています。

行政関連の助成金受給に関する申請をしたことのある人事担当者の方たちでしたらお分かりになると思いますが、受給に対する要件が厳しいものもあれば、申請後に設けられている審査の結果で落とされてしまうような助成金(主に高齢・障害・求職者雇用支援機構)の種類もあります

しかしながら、納付金制度に見られるように障害者の雇用が不足している企業は罰金のような形で納付金を支払う義務があるのと同様に、障害者の雇い入れや雇用維持を目的とするならば、企業にとって障害者雇用を後押ししてくれる制度ですから是非活用していただきたいと思います。

④ 新たな雇用のかたちを見つけるチャンスにも

ひと言で障害者雇用といっても、とても幅広い人材の活用方法だと感じています。一般的には「障害者」とひとくくりとして見られるのですが、その中身は身体障害者・知的障害者・精神障害者と3つに分かれており、それぞれの特性や特徴は大きな違いを持っています。そのため、これからの「障害を持つ人材の活用」を見た場合、法律改正による法定雇用率の引き上げから、今以上に障害者の求人活動に力を入れる企業が増えてきます。また、人事担当者の方々が感じている通り障害者の採用状況は売り手市場となっており、徐々に精神障害者や発達障害者を採用ターゲットにする動きも活発化しています。採用ターゲットが多様化するのであれば、個々の障害特性や特徴にも配慮した働き方を用意していくことが求められます。おそらく、これまでのような「会社に出勤して仕事に就いてもらう。」という従来からのスタイルに固執し過ぎてしまうのは、新たな障害者雇用への邪魔な考えになってしまいます。これからの障害者雇用の実現には新たな働き方を用意する義務が企業に求められるでしょう。というよりも、もうその状態になっていると感じます。

今、注目されているのは「テレワーク」。所謂、在宅就労のような「遠隔地勤務」を指します。

2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催時期の本格導入を目指して、厚生労働省が主導する形で、企業の「テレワーク」導入を推進しています。こちらも導入に際して活用できる助成金制度があります。(地域のごとに設けている助成金制度もあります)

厚生労働省「職場意識改善助成金(テレワークコース)」のご案内

東京都「女性の活躍推進等職場環境整備助成金」のご案内
※テレワーク導入に関わる「多様な勤務形態」は男性の職場でも活用可

「テレワーク」のメリットは、
・採用競争の高くない地域で雇用ができる
・物理的なバリアフリーを設置しなくても良い
・一定の精神障害者や発達障害者の特性に適している
(不特定多数の人との関わりが苦手、通勤によるストレス、体力不足 など)
・従業員への負荷が軽減できる
・社内理解などの雇用環境が未整備でも雇い入れが可能    など

が挙げられます。

ちなみにデメリットな点としては、
・出勤している意識が低くなり疎外感が生まれやすい
・テレワークに準じた勤怠管理が必要
・社内情報やセキュリティ対策が必要
・問題発生時に早急な対処ができない
が挙げられます。

「テレワーク」の導入は障害者以外に「子育て」「介護・看護」のご家族を持つ従業員など、障害者とはまた違った“働くことにおけるハンディキャップ”を持つ方たちの雇用維持にもつながっていきます

⑤ 就労移行支援事業所は企業の味方

前回の「①」や「②」でも取り上げました外部機関の中でも特に活用していただきたいのが「就労移行支援事業所」と呼ばれる“障害者の一般企業への就職を第一の目的”として設けられている福祉機関です。

障害者雇用を積極的に取り組んでいる企業の多くは、「就労移行支援事業所」とのパイプを持っています。

就職を目指す障害者に対して、個々の特徴に合わせた支援をすることで強みを活かした人材を育てています。

年々、これら事業所の数が増加しており、近年ではそれぞれの事業所が独自性を持った施設運営をしています。例えば、支援する障害を絞る(発達障害に特化など)ことで、より専門性の高いサービスを提供。そのことで障害者の雇い入れを目指す企業にとっては、専門性の高い知識を持っているということで、障害者と自社の両方にとって最適なサポートを提供してもらえますので、ミスマッチや短期での退職を防ぐことができます。

今回ご紹介した以外にも細かく見ていけば、多くの活用術があります。

障害者雇用を根付かせるためには、いかにして企業の負担を減らすことができるか。非常に大事なことだと思います。

ABOUTこの記事をかいた人

上前 忠司 (日本障害者雇用総合研究所代表)

[障害者雇用コンサルタント] 雇用義務のある企業向けに障害者雇用サポートを提供し、障害者の雇用定着に必要な環境整備・人事向け採用コーディネート・助成金相談、また障害者人材を活かした事業に関するアドバイスを実施。障害者雇用メリットの最大化を提案。その他、船井総研とコラボした勉強会・見学会の開催や助成金講座の講師やコラム執筆など、障害者雇用の普及に精力的に取り組んでいる。 ▼アドバイス実施先(一部抜粋) ・opzt株式会社 ・川崎重工業株式会社 ・株式会社神戸製鋼所 ・沢井製薬株式会社 ・株式会社セイデン ・日本開発株式会社 ・日本電産株式会社 ・株式会社ティーエルエス ・パナソニック株式会社 ・大阪富士工業株式会社 ・株式会社船井総合研究所 ・株式会社リビングプラットフォーム