就職活動の目的は就職することであり、それ以外ではない

「就活なんだから就職するのが目的だなんて、そんなの当たり前だろ!」って思っているほど、僕は就職活動を勘違いしているのではないかと思っています。それは障害の当事者であっても、その支援者であってもです。

今回は僕が就職活動をしているとき、そして就職活動を終えたからこそ感じた疑問について書いてみようと思います。

スーツを着ることが就職活動ではない

スーツを着るだけに限らず、

  • 面接の練習をすること
  • 履歴書や職務経歴書を書くこと
  • 自己分析や企業分析、業界分析をすること
  • 就職・転職サイトに登録すること
  • 企業説明会や合同説明会に参加すること
  • ハローワークを活用すること
  • 就労移行支援に通うこと

これらは就職活動の目的である「就職すること」のための手段ではありますが、決してそれが就職活動の目的ではありません

就労移行支援に通っていて周りの人の就職活動を見ていると、就職活動の目的を見失っている人が多くいるように感じます。そして、意外と支援者も就職活動の目的を見失った支援をしているように感じます。

別に目的を見失うこと自体を否定するつもりはありません。ですが、目的を見失えば、すぐに掴めたかもしれない就職をつかみ損ね、就職を遠ざけてしまいます。

就職活動も結果がすべて

どれだけがんばって就職活動しても就職できなければ、就職活動は終えられない。これは事実です。

どれだけ素晴らしい履歴書を書こうが、優れた職務経歴書を書こうが、面接での受け答えがどれだけ優れていようが、周りからの評価がどれだけ高くても、「よかったね」で済まないのが就職活動です。

もちろん、僕は「就職するための努力をすべて無駄なことだ!」と言っているわけではありません。ただ、就職するという名のもとで、就職活動の手段をあたかも目的のように錯覚し、それをしている自分に陶酔してしまっては意味がないと思うんですよね。

たとえば、「求人検索しました!」では就職できないわけです。求人を探し、そこに応募し、面接を受け、採用されて初めて就職なわけですから、求人検索していることに陶酔してしまっては意味はありません。

これはスポーツでも同じことが言えます。たとえば、プロサッカーではどれだけ善戦を重ねようと、敗けが重なればJ1からJ2に落ちるわけですよね。「俺たちはいい試合をしている!」なんて言ったって、結果が出ていなければファンは減るわけで、J2にも降格するわけです。逆に言えば、善戦ではないにしても引き分けに持ち込んだり、少しばかりでも勝ちを重ねられればJ1に残留できるわけです。

これを就職活動に当てはめると、就職活動というのは就職してしまえばどんな道をたどってもいいわけです。ハローワークや転職サイトで求人を探さなくてもいいわけです。たとえば、知り合いの会社で働かせてもらうでも、企業実習や企業インターンの先に就職してもいいわけです。正社員じゃなくてもアルバイトでもパートでもいいわけです。

「就職活動に正解はない」というのはまさにこのことなんです。就職できるのであれば、あらゆる手段を使って就職すればいいと思うんですよ。どんな形であれ就職することが大事なんだと思います。

僕も就職活動のゴールを見失っていた


ここまで上から目線で書いていますが、正直僕も就職活動の目的を見失っていました。
僕も「就職活動とは、いい志望動機を書くこと、いい職務経歴書を書くこと、スーツを着ること」なんて思っていましたし、書類選考に落ちることはみっともないことだと思っていました。

ただ、姉からの言葉で我に返ります。

  • 「就職してないのにつべこべいうな。文句は結果を出してから言え」
  • 「書類を出す前から結果を考えるな。結果なんて書類を出さないとわからないだろ!」
  • 「アルバイトでも就職していることに変わりはない。離職期間を延ばすよりマシだよ」

などなど、正直あの頃の僕にはぐさぐさと刺さりました。

姉から叱咤激励をされたあの時から、僕の意識としては「何をしてでも就職すること、どんな形であれ就職すること」というがキャッチフレーズのようになりました。

就職するためならすべてのリソースを使ってほしい

「就職のためならなんだって使う」これは僕が就職活動をしていたときのテーマです。

就労移行支援の支援者をはじめ、家族、転職サイトの担当者、企業実習先の担当者、ネット、本、知人、SNSなど使えるのであれば、使いまくりました。

障害者の人たちを見ていると、「人に頼る」「人を使う」ことが苦手な人が多いように感じます。

気持ちはよくわかります。僕もこれまでは

  • 「こんなしょうもないことで頼っていいのかな?」
  • 「こんなくだらないこと聞いてもいいのかな?」
  • 「添削をお願いしたら迷惑じゃないかな?」

と思って人に頼ることをためらっていましたから、人を頼れない人の気持ちはよくわかります。

でも、「人を頼れないことで就職活動が終えられない」のと、「恥ずかしくても、迷惑をかけても、就職できるの」とどちらがいいのか?と天秤にかけると、後者の方がいいことは明白です。それが就職することが目的である就職活動であればなおのこと。

もし、就職活動中の障害者の方が読んでいるなら、ぜひ今日から就職するために身の回りの使える人たち、使えるツールを使いまくってほしいです。また、支援者の方であれば、支援している障害者の人が使えるリソースを片っ端から提示してあげてほしいです。

さいごに:無理せず、焦らず就職活動をしてください

とまぁ「就職するために就職すること以外の手段を目的にしないでほしい!」みたいなことを書いてきましたが、就職活動をするにあたって無理はしないでほしいですし、焦らずに着実に前に進んでいただければと思います。

僕がここで伝えたかったのは、就職活動の手段を目的にすり替え、「自分は就職活動をがんばってる!」と自己陶酔しないでほしいってことです。そして、就職するためなら身の回りにあるあらゆるリソースを活用してほしいってことです。最初の一歩を踏み出すのは難しいかもしれませんが、一歩踏み出してしまえば、あとは楽です。

ぜひ、手段を目的にすり替えず、就職することだけを見つめて就職活動に励んでいただければと思います。

ABOUTこの記事をかいた人

中村 祐基 (大手電機メーカー勤務)

就労移行支援を経て、大手電機メーカーに障害者として就職。診断名はADHD(注意欠陥多動障害)。吃音症と糖尿病も併せ持ちます。集中力のなさと、物忘れが多い半面、情報処理は異常に速い。言ってはいけないことを言ってしまい怒られることもしばしば。ミルマガジンでは、障害者として就職活動をしたこと、就職している実体験について主に書いています。