なかなか就職できない障害者から学んだ就職するための教訓

就労移行支援には、就職活動をはじめて2~3ヵ月と短い期間で就職していく人もいれば、長い時間をかけて就職していく人もいます。

短ければ良い、長ければ悪いなんてことはないと思っています。

はじめて就職活動する人にとっては、履歴書を書いたり、面接を受けるだけでも一苦労なので、それなりに時間がかかります。また、長らく就職活動をしていなかった人にとっても、改めてやってみると意外と順調に進まないなんてこともあります。なので、一口に就職活動期間が長引くことが悪いなんて思いません。

ただ、就職できるだけのスキルがあり、それなりに労力を割いているにもかかわらず、一向に就職が決まらない人がいるのも事実です。

では、就職できそうなのになかなか就職にたどり着けない障害者の人とはどんな人なのでしょうか?今回は、なかなか就職できない人に共通していることと、彼らから学んだ教訓について書いてみようと思います。

理想を求めるのは地に足がついてから

なかなか就職できない人を見ていると、理想だけを掲げて地に足がつかない状態で就職活動に挑んでいるように感じます。

もちろん、理想を求めることは決してダメなことではありませんし、就職していった人たちが理想を追い求めなかったわけでもないと思います。

たとえば、障害者の人が就職に対して抱く理想にはこのようなものがあります。

  • 正社員として働きたい
  • やりたいことを仕事にしたい
  • 残業ゼロの職場で働きたい
  • 年収〇〇万円以上欲しい
  • 興味のある業界で働きたい

などなど。障害者として働くにあたって「こういう仕事をしたい!」「こんなところで働きたい!」と理想を掲げ、それを追い求めることは素晴らしいと思います。

ですが、こういった理想はそう簡単に実現できませんし、理想を追い求めてばかりいると一向に就職できません。

僕も就職活動をはじめた当初は、「正社員以外嫌だ!(アルバイトなんてありえない!)」「年収は300万は欲しい!」「勤務地は大阪市内がいい!」などなど理想を掲げていました。ですが、離職期間が長く、スキルも実績もない状態で、こんな理想が実現できるわけがありません。

そこで僕は、理想は理想としてまずは地に足をつけることを最優先事項にしました。つまり、実績を作り、スキルをつけ、障害者として働けているということの証明を作るということです。

障害者だから就職に対して理想を求めてはいけないとはいいません。ですが、理想を追い求めるあまり就職を遠ざけてしまっては意味がありません。理想を求めるのは、地に足をつけてからでも遅くはないのではないでしょうか。

不安で押しつぶされるなら嫌というほど努力する

  • 書類選考が通過できるか不安
  • 面接でうまく気持ちを伝えられるか不安
  • 面接選考が通過できるか不安
  • 筆記試験が不安
  • ちゃんと就職できるのか不安

などなど、障害者に限らず就職活動をしていれば、誰だって不安を感じることはあります。

僕は不安を感じることがダメなことだとは思いません。むしろ、不安を感じているだけで、何も対策をしないことがダメなことなんじゃないかと思います。

何をするにしても、先が見えないというのは不安だと思います。それが人生がかかった就職活動であればなおのこと。選考が通るのか?面接で何を聞かれるのか?筆記試験には何が出てくるのか?たしかに不安だと思います。

そこで何もせずに当日を迎えるのか?それとも、不安を払しょくするために自分ができる最大の努力をして挑むのか?ここが就職できるかどうかの分かれ道だと思っています。

僕は面接に対して不安を拭い去ることができませんでした。だからこそ、面接で何を聞かれてもいいように、自己分析を徹底しましたし、できることやできないことを明確にしました。そして、一人でも繰り返し面接の練習をしました。その結果なのか、無事就職までたどり着くことができました。

就職できた人たちが不安を感じていないわけではありません。むしろ、不安な中でも自分ができることを最大限やってきたからこそ、就職できたのではないかと思います。

就職活動への文句は就職してから

なかなか就職できない人たちの言動を聞いていると、選考や面接の内容、筆記試験の有無、企業そのものなどへの文句が耳に入ってきます。

正直、文句を言いたくなる気持ちはわかりますし、かつての僕も就職活動に対してやたらと文句を垂れていました。

ですが、そんな僕を見て姉は、

「文句を言うなら就職してみろ」
「就職出来たら、文句はいくらでも言っていい」

と言いました。正直、心にグサッと刺さりました。

選考や面接の内容、筆記試験の有無など就職活動に不満を感じてしまうのは仕方がありません。ですがそこで、文句を言っていても就職できるわけではありません。僕はむしろ文句を言うことで就職を遠ざけてしまっているのではないかと思っています。

不満を口にし、文句を言っている時間があるのであれば、「どうすれば就職できるのか?」「就職するために何が足りないのか?」をしっかりと考えた方がいいのではないでしょうか?

さいごに

障害者として就職活動をやってみて感じたのは、障害者の就職活動は健常者として就職活動をするよりも難しいということです。

それは自分の障害についての理解もそうですが、障害や病気の特性上企業にどんな配慮を求めるのか?どんな環境だとストレスを感じやすいのか?などしっかりと自分と向き合わなければならないからです。そして、ただ向き合うだけではなく、それを相手である企業に伝え、理解してもらう必要があるからです。

「こんな仕事がしてみたい!」「この会社で働いてみたい!」と理想を掲げるのは結構なことです。ですが、理想を実現するためには気持ちだけではなく、実績やスキル、障害者として安定して働けることなどを証明できなければなりません。ようするに、地に足がついていない状態で理想は語るなということです。そして、就職できていないのに、就職活動に文句を言うなと。

どんなことにも手遅れなんてことはありません。

理想を実現したいのであれば、その実現のために今何が足りていないのか?そして、それを補うために何ができるのか?をしっかり考え、キャリアを形成してもいいのではないかと思います。

ABOUTこの記事をかいた人

中村 祐基 (大手電機メーカー勤務)

就労移行支援を経て、大手電機メーカーに障害者として就職。診断名はADHD(注意欠陥多動障害)。吃音症と糖尿病も併せ持ちます。集中力のなさと、物忘れが多い半面、情報処理は異常に速い。言ってはいけないことを言ってしまい怒られることもしばしば。ミルマガジンでは、障害者として就職活動をしたこと、就職している実体験について主に書いています。