第1回「これからの障害者雇用が上手くいかない2つの理由」

ご存じの方も多いと思いますが、日本の障害者雇用は欧米諸国や他の先進国と比べると遅れていると言われています。

障害者雇用の評価として、最も使われる指標は「障害者雇用率」です。障害者雇用率とは全従業員の内障害者が働いている割合を指しています。

例えば、全従業員100人会社の内障害を持っている人が6人いれば「障害者雇用率6%」という事になります。

2017年現在の民間企業における障害者法定雇用率は2.0%ですので、従業員50人につき1人の障害者雇用義務があるわけです。

そして、今の日本の障害者雇用率(実雇用率)はというと、過去最高の1.92%となっており、法定雇用率の2%にもう少しという状況にまで来ています。

特に平成23年から毎年0.04%を超える上げ幅を維持しており、5年間で2.7%も雇用率は改善しました。

では、これからも障害者雇用率は伸びる=障害者の社会進出が加速していくかというと、そう上手くもいかないかもしれません。

今回は、これから障害者雇用を進める上で、無視できない2つの問題について言及したいと思います。

1.50%超の企業が障害者法定雇用率未達成(平成28年)

民間企業全体では、法定雇用率2.0%に対して1.92%ともう一息という状況ですが、法定雇用率を達成している企業の数に着目すると、達成している企業はたったの48.8%に留まります

この差は、1,000人以上の大企業が実雇用率全体を押し上げている陰で、1000人未満の企業の過半数が法定雇用率を下回っていることにより起きています。

法律で定められた基準に達していない企業が過半数を占めることは驚きですが、未達成企業はみんな障害者を雇用するつもりがない企業なのでしょうか?

いえいえ、そんな事はありません。大半が障害者雇用がうまくいかないだけの企業です。

少なくとも私がお話した事のある未達成企業は、どこも障害者募集していました。また、障害に関する会合に参加している企業の中にも未達成企業は少なくありません。

うまくいかない理由は各々に異なりますが、受入の問題(設備や担当者の経験の問題)だけでなく、募集の問題(応募者が来ない、条件が合わない)や維持の問題(短期退職、体調不良)などで法定雇用率が達成できないのです。

もちろん、端から障害者を雇用するつもりがない企業がいることも否定しませんが、未達成企業=障害者雇用に否定的な企業と理解するのは間違っています

大企業となれば、働く障害者の人数も多く、専用の設備や担当者、学習の機会を設けることも難しくないかも知れませんが、規模が小さくなるとそういう訳にはいきません。ただでさえ知名度が低い中小企業が、さらに不利になるような状況があるのです。

障害者を雇わない企業が悪いと結論づけるのは簡単ですが、問題はそこだけではないのです。

障害者を雇用できない・雇用維持できない企業の実情に合わせて、障害者を雇用する環境自体を整備しなければ、今後も達成企業の改善は難しいでしょう。

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ミルマガジン編集部

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