前回の続き
◯『テレワークオフィス事業』の特徴・強み
《話・才川氏、田山氏》
『テレワークオフィス事業』の大きな強みを数値で表すと「2024年の職場定着率は93%」であるといえます。
障がい者の雇用と定着における企業個々の課題に対して、その原因を把握・分析し、課題解決と付加価値の提供にむけて以下の取り組みをおこなっていますが、その結果が職場定着率に表れていると考えています。
- 1. 障がい者雇用を成功に導く「業務設計→マニュアル化」の支援
障がい者雇用において最も重要な要素の一つが、適切な「業務設計(業務を切り出す、作り出す)」とその業務を円滑に進めるための「マニュアル化」であると考えます。
当社は、社内での障がい者活用ならびに人材紹介サービスによる長年の経験と豊富なノウハウ、そして多種多様な他社事例に基づいて、障がい者の能力を活かすことを前提とした「業務設計」支援が可能です。そして、当該業務を「マニュアル」として整備することで、業務ルール・業務フローを明確な形で可視化(文字化)することができます。
「言った・言わない」などの伝達ミスを無くし、疑問点に関して自己解決を促すことで、教える側と教わる側双方の負担を軽減させることができます。
- 2. 安心と安定した就労を支える「専門的なサポート体制」
テレワークオフィスに通う障がい者(以下、利用者)が安心して勤務いただけるよう、テレワークオフィスには看護師、社会福祉士、ジョブコーチなどの有資格者が「サポーター」として常駐しています。サポーターは、利用者に向けて日々の声がけや交換日誌の取り組み、そして定期的な面談を実施しています。
仮に悩みや問題を抱えた状態が発生したときには細やかな状況把握と早期の問題解決に努め、心理的な不安にも寄り添ったうえでの就労サポートをおこないます。
前述のとおり、2024年の職場定着率が93%であるということは、利用者の多くが安心・安定した状態でお仕事に従事しているという結果であり、専門的な支援体制による細かなフォローが効果に繋がっているといえます。
※民間企業における障がい者の就職1年後定着率は58.4%(就労継続支援A型を除く)というデータと比較しても、本事業での職場定着率は強みといえます。
- 3. 将来的なオフィス・在宅勤務へのスムーズな移行支援
当社の『テレワークオフィス事業』は「卒業前提」という形で企画設計しており、最終的には企業のオフィス勤務や在宅勤務への移行を目指して支援をおこなっております。
最初は本事業を通じて安心してお仕事に従事していただき、業務に慣れるとともに、他の利用者とのコミュニケーションの機会、企業担当者との定期的な面談などによって、安心と信頼の積み上げを図ります。
そして、勤務場所変更の際も引き続き安心して能力を発揮できるかどうか、丁寧かつ慎重に対話を続けながら、段階的に勤務場所を変更した形での就業状況を確認しています。
なお、他の利用者とのコミュニケーション円滑化にむけては、利用者同士が自然な形で交流を深めてもらうために、定期的な懇親会や季節イベントを開催するなどの取り組みもおこなっています。


◯障がい者雇用に取り組む企業の動向と今後の展望
一昔前は、企業からの相談内容は人材採用に関するものが中心でした。
しかし、近年は「業務を見つけることができない」「障がい者の受け入れ準備が難しい」という採用前の課題に関する相談が増えております。
背景には、障がい者雇用における法改正の動き、その結果「身体障がい者」の採用がより困難な状況になり「精神障がい者」の採用を検討する企業が増加したことが挙げられます。
精神障がい者の採用においては、より柔軟な業務設計、経営層や人事部門だけではなく「実際に障がい者が勤務する」職場の理解と協力体制、そして入社後のフォローが必要になってきます。
これらの取り組みを0ベースでおこなうことが大変でもあるため、当社の『テレワークオフィス事業』に注目が集まっていると考えています。
今後の展望は、前編でも述べましたが『障がいのある方の「活躍の場」を広げていく』ことです。
そのためには企業の課題や悩みに対して、既製品の提供ではなく、企業担当者に寄り添い、企業個々にカスタマイズした形での解決策を探り、そして企業と一緒に対処していくことが大切だと考えています。
障がい者雇用の目的を「法定雇用率の達成」だけで終えるのではなく、企業従業員のひとりとして、仲間として、企業に貢献できる仕事を担っていただき、企業の事業安定・事業成長に必要な人財として活躍できるような環境を作り上げることを目指しています。
今回の取材を通して、新たな障がい者雇用の形を知る良い機会となりました。従来からあるサテライトオフィスでの障がい者雇用に比べて、障がい者を雇用する企業とテレワークオフィスで勤務する障がい者の両方に対して、“寄り添う”姿勢が強くある事業だと感じました。
取材へのご協力ありがとうございました。

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