職場見学:就労継続支援B型事業『ワークセンターJIN』

全国に約20,000ヶ所ある障がい者就労系福祉機関ですが、その役割について理解している企業の人事担当者は多くありません。なぜなのでしょう。

就労系福祉機関は厚生労働省の管轄で各地域にて許認可を受けて事業を行っています。国や厚生労働省、各地域の労働局は、企業の障がい者採用のルートのひとつとしてこれら就労系福祉機関からの就職というのを推進しています。(私はそのように認識しています)なぜならば、障がい者に関する専門機関としての役割があり、「就職を目指す障がい者」と「雇用に困っている企業」が気軽に活用できるようにという考えからです。

是非、障がい者雇用で困っている人事担当者は自社の近くに相談に対応してもらえる就労系福祉機関があるかもしれません。下記の情報サイトで検索することができますので参考にしてみてください。

【WAM NET 独立行政法人福祉医療機構「障害福祉サービス等情報検索」】
https://www.wam.go.jp/sfkohyoout/COP000100E0000.do

前回に続き、就労継続支援B型事業所のご紹介です。

就労継続支援B型事業『ワークセンターJIN』

NPO法人真成会が大阪市都島区で開設している『就労継続支援B型事業所ワークセンターJIN』です。
先ず最初に目に入るのが1階にある『Café Jin』です。一見するとお洒落なカフェといった様子で障がいのある方たちが利用する福祉施設だとは思いません。それは、店内に入るとより一層感じます。東京の代官山や南青山にあってもおかしくない拘りの詰まったお店になっています。


実はこちらの事業所ですが、以前に取材をさせていただいた「就労移行支援事業所STAIR(ステア)」の管理であり、その一方で関西の障がい者雇用創出のための有志の会である「discovery(ディスカバリー)」の代表でもある中さんのご紹介でお邪魔させていただきました。
中さん、ありがとうございます。

支援施設インタビュー:STAIR(ステアー)

2018.01.18

取材レポート:discovery(ディスカバリー)の取り組み

2018.06.26

《理事長の箱田さん(左)とdiscovery代表の中さん(右)》

こちらの事業所は1階がカフェで2階が作業場となっており、主に近隣の障がいのある方たちが利用者として通われています。利用者の中には引きこもりで家から出られなかった人たちもおり、今では元気に通所しているということです。

こちらの特徴は1階にあるカフェです。
是非、お店に足を運んでいただきたいのですが、「音楽好き」「インテリア好き」な人にはたまらない内装。それに、今流行しているスパイスカレーを食べることができます。
カフェには常時2名の障がいのある利用者が配置されています。主な業務は、「オーダー」「配膳」「食器洗い」など。
見学の際にも勤務している利用者の方から接客を受けましたが、とてもしっかりと注文を聞いていただき、気になるところはありませんでした。おそらく、福祉事業所と知らずに来店されるお客さんは彼らが障がい者だと気付かないのではないでしょうか。また、2階の作業場では若い利用者の方たちが和気あいあいとした雰囲気の中で内職業務を中心に作業にあたっており、お邪魔した時には元気よく挨拶をしていただきました。





他にも面白い特徴として、事業所がオープンしている平日の14:00以降は無料でカフェスペースをワークショップやイベントなどの利用として借りることができるということです。実は当日も見学後の時間からウクレレによるミニコンサートが催されていました。

【ウクレレコンサートの模様(Facebookより)】

今日は、CAFE JINでウクレレコンサート!!!障がいがある?子ども?お母さん?おばあちゃん?雨が降り過ぎ?そんなの関係ねぇ〜!!!みんなで楽しく歌って、大熱唱♬楽しい空間と時間はサイコー(o^^o)

NPO法人 真成会さんの投稿 2019年6月6日木曜日

また、他の就労継続支援B型事業所との違いは、様々な団体や企業からの相談を断らず積極的にかかわっていくことです。新たなことにもチャレンジしており、現在も企業からの相談として「子ども食堂」をオープンさせるということで着々と準備を進めていらっしゃいました。
福祉事業所というのは自己完結してしまう部分があり、外部と共同で新しいことに参加していくイメージが少なかったのですが、こちらではドンドン前に出ていく姿勢を強く感じました。非常に良いことだと思います。

他にも、地域の中学生の社会実習の場として協力しており、福祉の啓発活動にもつながっています。また、カフェでは就労移行支援事業所の実習の受け入れ先となっていたり、地域の認知症のある方たちが訓練として働いてもらう体験の場としても協力をしているということです。

最後に理事長の箱田さんにおうかがいしたのですが、「我々の事業所は地域に密着した存在にしたい。」という思いから、地域への貢献を意識された事業所運営を目指しているのだと感じました。当然のことながら、地域密着を通して利用者の方たちへの支援と工賃アップを実現させようと日々努力されています。実際にカフェで働く利用者の姿をお客さんに見てもらうことで障がい者の理解につながっていくのではないでしょうか。
是非、たくさんの人や企業に見ていただきたいと思える事業所でした。

施設の見学やお問い合わせは下記にご連絡ください。

『就労継続支援B型事業所 ワークセンターJIN』
住所:大阪市都島区都島本通3-16-3 パルハイツ1F・2F
TEL:06-6180-4751
URL:https://sinseikai-miyakojima.jimdo.com/
Facebook:https://www.facebook.com/osakasyougaisyasien/

ABOUTこの記事をかいた人

上前 忠司 (日本障害者雇用総合研究所代表)

[障害者雇用コンサルタント]
雇用義務のある企業向けに障害者雇用サポートを提供し、障害者の雇用定着に必要な環境整備・人事向け採用コーディネート・助成金相談、また障害者人材を活かした事業に関するアドバイスを実施。障害者雇用メリットの最大化を提案。その他、船井総研とコラボした勉強会・見学会の開催や助成金講座の講師やコラム執筆など、障害者雇用の普及に精力的に取り組んでいる。

▼アドバイス実施先(一部抜粋)
・opzt株式会社・川崎重工業株式会社・株式会社神戸製鋼所・沢井製薬株式会社・株式会社セイデン・日本開発株式会社・日本電産株式会社・株式会社ティーエルエス・パナソニック株式会社・大阪富士工業株式会社・株式会社船井総合研究所・株式会社リビングプラットフォーム