当ミルマガジンでは、「障がい者」×「雇用」をテーマに、企業における『障がい者の雇用定着』の実現に向けたたくさんの情報をお届けしています。
数年前に比べて、「障がい者」についての情報を得る機会も少しずつですが増えてきました。メディアなどにも「障がい者」に関連するテーマを取り上げる機会が増えてきており、特定の障がいについてのエピソードのような形で紹介するテレビ番組も目にするようになってきました。そういった点から、「障がい者」への関心も自然と高くなってきているように感じます。
また、2020年には東京オリンピック・パラリンピックの開催もあり、「障がい者」「障がい者アスリート」というワードも珍しくなくなってきました。
ところで皆さんは「障がい者」×「スポーツ」についてどの程度ご存知でしょうか。障がいを持つ人がアスリートとして活躍しているニュースを目にする一方、私たちの知っている情報というのは非常に限られたものだと思っています。
「障がい者アスリート」×「働く」の実情はいったいどのようになっているのでしょう。健常者のアスリートでも有名企業からのスポンサーやプロ契約をしている数はごく一部で、仕事や競技以外のものとの両立に苦労しているアスリートが圧倒的に多いと聞いています。
今後、ミルマガジンでは「障がい者アスリート」×「働く」についても広く知ってもらうための情報を発信していくつもりです。
デフバスケットボール 男子日本代表
第1回目の今回は、『デフバスケットボール 男子日本代表』チームをご紹介します。
「Deaf(デフ)」とは、英語で聴覚障がい者や耳が聞こえないことを意味しています。デフバスケットボールとは、「聴覚障がい者がプレイヤーとなるバスケットボール」のことを言います。
ルールはどのようになっているのでしょうか。「特定非営利活動法人 日本デフバスケットボール協会」のホームページでの説明では、
デブバスケットボールには特別なルールはありません。
選手たちの競技中の音が聴こえない、聴こえにくいための特別な措置として、当協会主催の大会にて、四阿中にコートの体格にフラッグマンを設置します。審判やテーブルオフィシャルのブザーの音が鳴るのと同時に目立った色の旗を振ってもらうことによって視覚的に状況を判断できるように情報保障を行っています。
とあります。
一般的な障がい者スポーツのイメージは、各障がい特性を考慮したルールのもとプレイをするようなイメージでしたが、デフバスケットボールの場合は通常のルールと変わりない形で試合を行い、反則などの情報伝達の場合には視覚に働きかける工夫をしているということです。私も中学時代に少しだけバスケットボール部に所属していましたので、聴覚からの情報がない状態でのチームプレイは難しいことが多いだろうと感じつつ、実際に自分の目で確かめてみたいと思い、早速『デフバスケットボール 男子日本代表』チームの練習風景を見学に行ってきました。
当日は、健常者のバスケットボールチームとの練習試合が組まれており、男子日本代表(白色ユニフォーム)の実力を知るいい機会でした。
素人ながら、試合を観ていて感じたのは聴覚障がいというハンデを感じさせない各プレイヤーの動きでした。オフェンス側での動きの中でお互いのコンビネーションが合わずに、攻めきれない場面が時々あったりしましたが、終始健常者と変わりないプレイでした。もし、聴覚障がい者がプレイをしているということを知らされずに、試合を観ていたとしても全く分からないのではないかと思えるほどでした。
おそらく、普段の練習からアイコンタクトを使い、お互いの信頼感を強くしている成果だと思います。
あとで聞いた話なのですが、相手チームのプレイヤーは「B.LEAGUE(日本のプロバスケットボールリーグ)」に所属してもおかしくない実力の方たちだったようです。これは、今後国際試合などで上背のある外国チームとの試合を想定して、フィジカルで当たり負けしないようにということで組まれたものです。日本代表チームのメンバーは体格的には大きな選手は少なく、中にはこれからフィジカルを鍛える必要のあるプレイヤーもいるのですが、互角に近いゲームを観ることができました。
これからの活躍が楽しみです。
次回は、『デフバスケットボール 男子日本代表』チームを率いる監督の上田頼飛氏にインタビューしたお話しをご紹介したいと思います。
上田監督自身は聴覚障がい者ではありません。では、なぜ『デフバスケットボール 男子日本代表』チームの監督を引き受けることになったのでしょうか。
また、今回の取材を通じて、「障がい者アスリート」×「働く」にある課題なども知ることができました。
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