こんにちは。
株式会社OLDROOKIEの松元です。
随分ご無沙汰なコラムとなりましたが、
先日、『ふくはぴ愛知』という訪問系事業者と利用者さんを繋ぐマッチングサービスをリリースしたので、
今回はふくはぴ愛知について、少し書かせて頂きます。
最初に申し上げますと、
数年前までは『福祉』という世界に全く興味も関心も無い人間でした、僕は。
そんな自分が福祉に興味を持ったのは、24時間ヘルパーを利用した生活を始めた頃。
複数のヘルパー事業所を利用していく中で、多くの事業所が非常に非効率でアナログな情報共有や事務作業をされていることを知りました。
その時、まずはお金をかけずにすべての過程をシンプルにしていくことから始めたわけです。
30年以上福祉の世界のど真ん中に身をおいて、それでもこの世界を面白いと感じたことが無かった僕が初めて福祉に興味を抱いた瞬間でした。
そもそも、何もかも変えていかなければいけない世界がつまらないわけがありません。
福祉の世界へ
それがきっかけで僕はまず、介護事業者支援事業ということを始めてみました。
利用者の介護方法を分かりやすい動画に編集しクラウドで共有して、複数の事業者間でも一定の支援レベルを保つように出来るというサービス。
当時は「なんて良いサービスを思いついたんだ!」とアインシュタイン気取りの天才にでもなったかのようなドヤ顔でサービスをスタートしたのですが、これがもう鳴かず飛ばず。見てられない状態でした。穴があっても追い出されるレベルの閑古鳥。
事業所も利用者も便利になるのに使われない理由。
その答えが分からないまま、1年ほど経過した時期でした。
様々な理由も重なって、弊社で訪問介護事業を始めることになったのです。
実際に始めてみて分かってきた事実。
とにかく忙しい。
事業所で働くスタッフたちはとにかく忙しいのです。
1人1人の利用者の介護支援動画を撮影して、外注してる時間も金も無いのです。
訪問介護事業を始めてみて、見えてきたものが沢山ありました。
それから2年が経ったある日、以前僕の支援に入っていた林と電話で話をしていた時のやりとりが『ふくはぴ愛知』が生まれるきっかけでした。
- 林「ちょっと考えていることがあるのですが聞いていただけませんか」
- 松元「どうしたの?」
- 林「訪問事業者と利用者を繋ぐマッチングサービスってどう思います?」
- 松元「もの凄く面白いアイデアじゃないの、それ!」
以前から問題となっているヘルパー不足という課題。
僕自身も複数の事業所で24時間ヘルパーを利用していた頃、この問題に直面していました。
探そうと思ってネットで調べようと思ってもタウンページのように数百以上も羅列された事業所名が出てくるだけで、片っ端からその事業所に電話をしなければいけません。
また、相談員に相談してもなかなかスムーズに見つかりません。
ヘルパーがどこも不足しているのだと僕も思っていました。
しかし、林はこう言ったのです。
- 林「違うんですよ松元さん。世の中で言われている「ヘルパー不足」ってヘルパー人材が不足しているわけじゃないんです。」
- 松元「どういうこと?」
重度訪問介護事業所でコーディネーターや営業もしていた林は、驚くような実情を話してくれました。
改革の夜明け
- 林「ヘルパー人材が不足しているわけじゃないんです。ヘルパーと利用者が噛み合ってないからなんですよ。例えばうちの事業所は岡崎にありますが、私は豊田にも常滑にも半田にお住まいの利用者のところへ行ってますよね。事業所が岡崎にあってもそこに所属しているヘルパーが常滑に住んでいれば常滑にも支援に行けます。
でも、わざわざ常滑の利用者が岡崎の事業所に連絡することはありえないんです。そもそも来てくれると思ってないから。そういった思い込みで手は空いているのに支援を希望する利用者との接点がないために支援に行けない潜在的なヘルパーは多くいるんですよ。」 - 松元「ヘルパーを求めている利用者は沢山いるよ!?」
- 林「そうなんです。いるんです。でも知らないんですよ。お互いに。」
- 松元「だからこそのマッチングサービス!」
- 林「そういうことです。事業所も利用者も、支援できる時間、支援して欲しい時間、地域、曜日など生きた情報をアップすることで『見つけると見つかる』ができるんですよ。」
- 松元「それは凄いよ。とても便利になるよ!」
- 林「あくまでこんなアイデアがあるんですよって話ですけどね。」
- 松元「そのアイデア、私なら作れると思うよ。一緒にやってみない?」
以前、訪問事業を起ち上げることになった時、
「林くんも俺の会社で働く?」と誘ったことがありました。その時は、「松元さんとは友達で居たいから一緒に仕事はしたくないです」と真正面に断られたことがあったので、内心ダメ元で誘ってみたのです。
すると、
- 林「本当ですか?チャレンジしてみますか?」
- 松元「やろうよ!そのサービスは絶対に必要だよ!当事者の私が欲しいと感じたんだから!」
- 林「わかりました!やってみましょう!!」
この話を聞いた時、僕の中で何かが昂ぶるようなものを感じました。
彼と二人でこのサービスを作れたら訪問介護業界が一変する、そんな確信を感じずにはいられませんでした。
後編に続く。