人事担当者必見!障がいを持つ求職者から選ばれない企業6つの特徴[2/2]

人事担当者必見!障がいを持つ求職者から選ばれない企業6つの特徴[1/2]

2017.06.30

担当者が障がい者の人材採用で体験する苦労を解消するための取組みを始めるために知っておいてもらいたいいくつかの共通した特徴があります。

前回に引き続きまして、残りの特徴をご紹介したいと思います。

4.『簡単に採用が決まる』から求職者から選ばれない

前回の②では『選考に時間が掛かり過ぎる』から求職者から選ばれない点をご紹介しました。今回は逆に『簡単に採用が決まる』場合であっても求職者からは選ばれません。

簡単に採用を決めるということは障がいを持つ求職者にとってとても不安を感じてしまいます。「この会社は、たった30分程度の面接だけで本当に私のことを分かってくれたのだろうか」と感じる障がい者はとてもしっかりした人材ではないでしょうか。

障がい者に関する知識や経験を持つ立場であっても、短い時間と限られた情報(エントリーシートなど)だけでその人を十分知ることは大変難しいことです。職場で障がい者を受け入れるということは、その人がパフォーマンスを発揮するために必要な周囲の理解や協力、配慮を実施していかなければいけません。本人が理解している自分の特徴を会社側が教えてもらうことで出来ることと出来ないことを判断していきます。時には、働くことで本人ですら知らなかったことに気が付くことさえあります。

働いてもらう前段階で、障がい者の受入れに必要な準備を可能な限り整えておくことが定着の実現につながります。そのためには、その人と接触する場面を複数回設ける(最低でも二次面接)ことでお互いを知るようにしてください。事前に複数回の面接を実施しておけば、障がいによる特徴の理解も深くなり、職場に依頼する配慮にもつながってきます。決して、安易に決めてしまうことで起こるミスマッチを軽く考えないようにしてください。

5.『柔軟さがない』から求職者から選ばれない

働く場面でハンディを持つ人というのは障がい者に限ったことではありません。例えば、「子育て」「高齢となった親の介護」をしている人たちも見方を変えれば制限を抱えた人材となります。

こういった人たちを活用するとなれば、今までになかったルールを作っていかなくてはなりませんが、出きることならイレギュラーは持ちたくないというのが本音です。

企業にとって労務管理は大変な仕事です。昨今、国の「働き方改革」により自社の従業員の労働時間に対する捉え方が大きく変化。企業は柔軟な対応を迫られることになりました。それに伴うかのように、障がい者の法定雇用率が引き上げられ、企業間での採用競争がますます激しくなってきます。また、これからは身体障がい者よりも精神・発達の障がい者を雇用対象としていくことになるため、従来の採用・雇用の方法では、それらを実現していくことが困難になってきました。

障がい者雇用の場面での日本文化の特徴である「臭い物に蓋をする」もそろそろ限界になってきました。“就労時間”“勤務形態”“通院や体調不良による休暇制度”など、企業にとって必要不可欠なハンディを持つ人材の活用するための方法を作り上げる時期に来ているのはないでしょうか。

6.『身体障がい者の雇用しか経験がない』から求職者から選ばれない

ハローワークの求人内容の統計を見ますと、近年では「精神障がい者」の求人が非常に増えており「身体障がい者」と同等かそれ以上になってきました。これは、「身体障がい者」の求人だけでは雇用率を満たすことが難しくなってきたことを表しています。

しかし、人事担当者から聞く生の声は「良い身体障がい者を雇いたい」です。「精神障がい者」「発達障がい者」を採用のターゲットと捉え、現実をしっかりと理解した上で「身体障がい者を採用したい」と言っているのであれば、気持ちはよく分かります。

7年以上障がい者の採用活動を実施せず、雇用しているのは「身体障がい者」のみという企業は浦島太郎のような状態となっています。その当時であればハローワークに相談するとまだ「身体障がい者」を紹介されることも多く、大変な苦労もないままに障がい者雇用を実現していたはずです。しかし、現在ではハローワークなどの相談先からの紹介は「精神障がい者」「発達障がい者」の人材が多くを占め、タイムスリップ状態ではどうすればいいのか全然分からないために、相変わらず「身体障がい者」のみの求人となってしまいます。今は、「精神障がい者」「発達障がい者」の求職者を紹介してもらえていますが、もしかするとあと数年もすればその方たちもエントリーをしなくなるかもしれません。それだけ、障がい者雇用の場面は大きく変化をしてくことになるでしょう。

障がい者の雇用の場面でも変化の波がやってきました。ビジネスと同様に人材の採用についても変化に対応する企業が選ばれることになります。好循環な障がい者の雇用を企業内に根付かせる活動には時間と労力が必要です。しかしこの活動を通じて身に付いた“企業力”は色々な場面で強みとして発揮されると感じています。

ABOUTこの記事をかいた人

上前 忠司 (日本障害者雇用総合研究所代表)

[障害者雇用コンサルタント]
雇用義務のある企業向けに障害者雇用サポートを提供し、障害者の雇用定着に必要な環境整備・人事向け採用コーディネート・助成金相談、また障害者人材を活かした事業に関するアドバイスを実施。障害者雇用メリットの最大化を提案。その他、船井総研とコラボした勉強会・見学会の開催や助成金講座の講師やコラム執筆など、障害者雇用の普及に精力的に取り組んでいる。

▼アドバイス実施先(一部抜粋)
・opzt株式会社・川崎重工業株式会社・株式会社神戸製鋼所・沢井製薬株式会社・株式会社セイデン・日本開発株式会社・日本電産株式会社・株式会社ティーエルエス・パナソニック株式会社・大阪富士工業株式会社・株式会社船井総合研究所・株式会社リビングプラットフォーム