人事担当者必見!障がいを持つ求職者から選ばれない企業6つの特徴[1/2]

厚生労働省は2018年度からの障がい者法定雇用率引き上げに関する方針を固めました。これまで雇用率の引き上げは0.2ポイントずつでしたが、今回の上げ幅は過去最大の“0.3”となり各企業の採用活動への影響が大きくなることが予想されます。

労働力不足の時代にあって、健常者・障がい者の区別に関係なく人材採用に苦労する企業が多いと実感しています。障がい者雇用が義務となっている企業は全国に約90,000社ありますので、採用を進めている企業は多くの競合他社と人材の取り合いを繰り広げていることになります。

障がいを持つ人材をターゲットにした採用活動を進めていく場合、求職者の人たちが何を基準に企業を選んでいるのかを知っていると人事担当者としては戦略をたてやすいのではないでしょうか。大袈裟だと感じる担当者もいらっしゃると思いますが、企業規模に関わらず上手く人材を採用している企業のほとんどが、求職者の動向や思考をもとに採用活動をしています。

今回は、『〇〇』だから求職者から選ばれない企業の特徴をご紹介します。

1.『良くない噂を聞く』から求職者から選ばれない

古くからある「悪事は千里を走る」という言葉の通り、障がい者の採用・雇用に関する噂も採用活動に大きな影響となることがあります。昔に比べ個人が得る情報量はとても大きなものとなりました。これまで、求職活動をする障がい者の方々と多くお会いし、たくさんのお話やご相談を聞いてきました。特に就職に伴う“差別”や“辛い経験”は本人にとって大きな傷となって残ります。こういった情報は“周囲の声”として障がい者の後押し的な存在となるハローワークや就労支援機関、または親御さんにも伝わっていますから、立派な求人広告や雇用条件を提示したとしても優秀な人材ほど、敬遠をしてしまいます。

企業側からの言い分もありますし、意図しない形で広められた噂の場合も考えられます。しかし、一度広まった悪い噂を解消させるのは行動と結果しかありません。地道な取組みですが、ハローワークの担当者との関係作りや支援機関への相談を積み重ねることで信頼を取り戻すことを目指しましょう。

2.『選考に時間が掛かり過ぎる』から求職者から選ばれない

選考に時間を掛け過ぎたために候補者から逃げられてしまうという話もよく耳にします。私自身も過去に障がいのある方を企業にご紹介した際、各工程(書類選考、一次面接、二次面接)の返事をもらうのにそれぞれ23週間掛かってしまったために、その方は他社の内定を選んでしまったという経験があります。

企業側からすると障がい者の選考は難しく感じるはずです。例えば、エントリーシートだけでは、情報が限られてしまいリアルな状態はこちらに伝わってきません。また、面接に関しても「どのような聞き方をすればよいのか」「希望する仕事のスキルかどうかの確認」などといったところまで聞き出すのは、よっぽど経験を積んでいないと的外れな質問ばかりとなってしまいます。

そのため、選考にはどうしても時間を掛けざるを得ないというのも理解はできますが、当然ながら障がい者の側も生活のことを考えると一日でも早く自分の希望にマッチした企業からの誘いを選んでしまうのも頷けます。

対応としては、エントリーシートだけで判断するのではなく気になる人材はなるべくお会いしてください。得られる情報量が圧倒的に違います。あと、選考に時間を掛けないための事前準備がポイントです。どのような質問ならして良いのかどうかやスキルチェックなどは、専門家のアドバイスを参考にしてください。経験値の低さを専門家のアドバイスがしっかりカバーしてくれます。

3.『障がい者への理解がない』から求職者から選ばれない

『障がい者への理解がない』という点を障がい者はどこで判断するのでしょうか。企業側の情報を障がい者が知り得る部分を考えてみましょう。例えば、「ホームページ」「ハローワークなどの求人情報」「面接」など。今、求職活動中の障がい者にとって、障がい者求人を出している企業の比較は簡単です。スマホやパソコンを使えばたくさんの情報を見ることができます。複数の企業面接を受ければ、A社とB社の違いもよく分かります。

障がい者の採用にもかかわらず、配慮に関する点や理解を示すような表現がされていない求人票であった場合、求職者の目に留まることはないでしょう。面接の場面でも、「障がい者であっても健常者と同じことを求めます」という面接官のセリフ。企業としては、権利を主張して配慮ばかりを求める障がい者ではなく、しっかりと自分の足で立とうとする(あくまでも表現として)人材が欲しいのですと伝えたいのだと思いますが、受ける側の障がい者にとっては緊張する場面ですし、踏んだ場数もそれほど多いわけではありませんから、「上からの態度で接してくる企業だ」と受け取られかねません。

企業の考えや人材に望むことがあれば、分かりやすい表現で伝えるようにしましょう。また、求人票による配慮や理解に関する表現についてはハローワーク等の窓口の方に相談をしてみると適切なアドバイスをいただけます。窓口の方にとっては、ひとつでも多く内容が良い求人情報を求めていますので。

次回は残りの3つの特徴についてご紹介します。

4.『簡単に採用が決まる』から求職者から選ばれない
5.『柔軟さがない』から求職者から選ばれない
6.『身体障がい者の雇用しか経験がない』から求職者から選ばれない

人事担当者必見!障がいを持つ求職者から選ばれない企業6つの特徴[2/2]

2017.07.04

ABOUTこの記事をかいた人

上前 忠司 (日本障害者雇用総合研究所代表)

[障害者雇用コンサルタント]
雇用義務のある企業向けに障害者雇用サポートを提供し、障害者の雇用定着に必要な環境整備・人事向け採用コーディネート・助成金相談、また障害者人材を活かした事業に関するアドバイスを実施。障害者雇用メリットの最大化を提案。その他、船井総研とコラボした勉強会・見学会の開催や助成金講座の講師やコラム執筆など、障害者雇用の普及に精力的に取り組んでいる。

▼アドバイス実施先(一部抜粋)
・opzt株式会社・川崎重工業株式会社・株式会社神戸製鋼所・沢井製薬株式会社・株式会社セイデン・日本開発株式会社・日本電産株式会社・株式会社ティーエルエス・パナソニック株式会社・大阪富士工業株式会社・株式会社船井総合研究所・株式会社リビングプラットフォーム