私の事を説明をすると、重度障がい者で生まれつきの脳性麻痺で、脳性麻痺も色んな種類があり、アテトウゼ型と言いまして手足が勝手に動いてしまって、簡単に言うと赤ちゃんが手足をばたばたさせているのと同じで、頭の中は45歳の男性ですが運動機能は生後半年です。
私は伝の心(でんのしん)というパソコンを呼吸で操作しこの記事を書いていますが、ここでコラムを掲載するのは今回が初めてなので、私は重度障がい者で食事もお風呂もトイレも介助が必要ですが、重度障がい者は普通に働く事は不可能というのが日本の多くの人が抱いている事だと思います。
重度障がい者の働き方
私も重度障がい者が会社を立ち上げて働いている人は何人か知ってますが、実際に企業に勤めている重度障がい者は知らないので日本の障害者雇用政策は軽度障がい者が主で、重度障がい者は施設や病院や家で暮らせばいいというのが国や企業や社会の考え方で、だから、重度障がい者が働いている姿を見た事がなく、2013年に日本が批准した障がい者権利条約には健常者も軽度障がい者も重度障がい者も同じ就労する権利とともに、障がいによってできない事に関しては行政や企業が配慮を行う事が明記されています。
去年令和新撰組から二人重度障がい者の議員が当選し、重度訪問介護は議員活動では使えない事が話題になりました。
重度訪問介護は生活するための介助の費用負担は公費が出ますが、重度訪問介護を使って通勤や勤務中の食事やトイレの介助に関しては実費か企業負担とされ、令和新撰組の議員の介助の費用負担は議員活動中は参議院の経費で賄う事になりました。
重度障がい者の雇用に関しても日本は働くときの設備や介助にかかる費用負担は企業負担で、重度障がい者を雇用すると法定雇用率をダブルカウントする仕組みはありますが、企業にとっては重度障がい者を一人雇用するより軽度障がい者を二人雇用した方がいいと考える企業が多く、公的機関も障がい者権利条約の27条(g) 公的部門において障がい者を雇用すること。と書かれているにも関わらず、となり街の職員採用要項には障がい者を排除する記載があり日本はこんな状態ですが、他の障がい者権利条約の批准国を調べると、ドイツの雇用に関してインテグレーションプロジェクトという仕組みがあり、障害者雇用におよび障害者雇用率制度としては、重度障がい者の職業生活への参加のために法定雇用率が決められていて、従業員20人以上の事業所の事業主(公的機関及び民間)は、重度障がい者を少なくとも5%雇う義務があり(ちなみに日本では重度経度は関係なく大企業及び公的機関の障害者雇用率は2.4%)で、それに日本では通勤通学ではヘルパーを使う事は基本は無理でようやく議論が始まりかけているところで障がいが重いと就労は難しく施設で暮らしますが、ドイツは、どんな重度障がい者でも、地域で一人で暮らす事が当たり前という考えがあり、このドイツの障がい者に対する考え方は、過去の苦い歴史の反省からきています。
日本は障がい者権利条約を批准していますが、重度障がい者の暮らしは国や住んでる地域によって左右される状態で、中々重度障がい者が普通に暮らせる社会づくりは難しいです。
テレワークの広がり
最近新型コロナウイルスによるパンデミックで緊急事態宣言が発令された地域があり暗い世の中になってきましたが、重度障がい者の雇用の面から見るとテレワークが推奨されてきた事が凄く大きいです。
このままテレワークが社会に根付いてくれると重度障がい者が働く面でネックになってた通勤や勤務中の介助の問題が解消できますが、まだまだ国や企業や社会は重度障がい者の理解が乏しくベットや車椅子に乗ってたら働けないと思うのが当たり前の考え方で、確かに昔はそうでしたが、でも、今はベットの上でもまばたき一つできたらネットでつながって働ける時代が十数年前から来てるのに全く重度障がい者の雇用は変わっていませんね。
重度障がい者でも一人一人障がいが違うから残された能力で働けるかを見極める力も日本は乏しいので、重度障がい者は見るだけで何もできないと感じる人がほとんどで、重度障がい者の雇用を進めるためには制度も必要ですが、障がいを見るのではなくやる気や人柄を見て障がいは制度や用具でカバーしていくというこんな視点が必要だと思います。