こんにちは。
暑い夏が過ぎ、過ごしやすい季節になりました。
マスクしない日常がまだまだ恋しいですが、涼しくなればマスク着用でも外出しやすくなりますね。
最近は、来客や出張も少しずつ増え、新たな出会いがたくさんあった前の日常に戻りつつあるのはうれしいことと感じています。
さて、今回は、障がい者雇用がうまくいく職場づくりのポイントを5つの視点でまとめてみました。
障がい者雇用は、募集・面接・採否の判断など採用までのプロセスに時間がかかることもありますが、職場定着にも時間はかかるものです。
仕事に慣れるのがゆっくりであったり、人間関係を築いていくのに時間がかかったりと、障がい種別などの個人差はあるものの、スローステップで進めることを好む人は多いように思います。
時間がかかる分、障がい者雇用は職場内のみんなで取り組むことが理想。
でも、そんな簡単な話ではありません。
障がい者雇用に取り組む多くの企業は、少数の担当者で取り組んでいることが多く、一人の担当者で抱え込んでいるケースも少なくないようです。
うまくいく職場づくりのポイントは、「仕組みづくり」。
5つのポイントで整理しましたので、ご参考にしていただければうれしく思います。
1、担当者は複数つくる
よくあるケースは、障がいのある社員の教育担当や業務把握は一人の社員が担っていることです。
一人の担当者が障がいのある人に仕事を教え、進捗を把握し、相談事や悩み事を聞いて対応しています。
この場合、二人の関係性で成り立ってしまっていることも多く、うまくいっているときは良いものの、関係性が壊れてしまうと一気に崩れてしまい、双方ともに離職してしまうケースもあったりします。
障がいのある人は、何かしらの生きづらさを抱えていて、一人では解決できないことも多々あります。
発達障がいのある人なら、社会性やコミュニケーションに障がい特性があるため、人間関係を築いたりコミュニケーションを取る時に「ズレが生じやすい」といった特徴があります。
また、精神障がいの人であれば、「~すべき」などの思い込みが強くなったり被害妄想になる傾向があるなど、「メンタルケアが欠かせない」といった特徴があります。
これら以外にも様々な特徴があるため、一人の担当者で全てを抱え込むことは企業としてリスクも高く、双方ともにストレスフルな状態になってしまっては元も子もありません。
ここでのポイントは、「担当者は複数つくる」ということ。
2~3人で担当する、雇用管理などを担う上長がサブ担当をする、店長ではなくパートリーダーなどが担当するなど、現場に近い人も加えた複数担当が望ましいです。
障がいのある人にとっても、複数の担当者がいることで使い分けて話しかけることができ、心理的負担を軽減することができることで結果的に働きやすくなるかと思います。
2、職場内は、障がい特性ではなく「配慮内容」を共有する
障がい者雇用に取り組む際、「障がい特性や個人情報をどこまで共有するか」は悩ましい問題です。
私たちも、多くの企業さんからご相談を受けてきました。
診断名や障がい特性などは個人情報の観点から、やはりご本人に意向を確認してから共有する範囲を決める方が無難かと思います。
障がいのある人の中には、「上司にだけ伝えたい」「一緒に仕事をする人だけ限定公開したい」など、条件付きの共有を求めることもあるかと思います。
ご本人なりの事情と理由があってそのように発言されていると思いますので、まずはその意向を尊重することをお勧めしたいと思います。
また、ここでのポイントは「配慮内容の共有」です。
職場内で一緒に働く人は、診断名などの個人情報よりも「どう関わったらいいか」を知りたいケースは多いかと思います。
「声のかけ方」「気にかけたほうがいいこと」「仕事の教え方」など、一緒に働く上での具体的な関わり方を知ることで周囲も働きやすくなりますし、余計な気疲れやストレスも減るように思います。
配慮内容は、障がいのある人自身がある程度把握していることが多いかと思います。
「配慮してほしいことを周囲に伝えることで働きやすくなる」ってことがご本人にメリットとして伝われば、配慮内容をスムーズに共有でき、周りからのサポートを受ける体制づくりもスムーズに進むように思います。
残りの3つのポイントについては次回に続きます。