2018年3月28日のコラムで「1000枚のカスタムTシャツ(ワークショップ)」というイベントのご紹介をしました。
このイベントは、障がいを持つ子供たちを中心に、障がいを持っていない子供たちも一緒になってTシャツのデザインというワークショップを通して、楽しみながらそれぞれの個性を伸ばしていこう。という取り組みです。(2018年4月15日開催)このイベントの主催である「PINT(ピント)」を運営しているのが『ぼくらの美術研究所』さんです。
今回は、『ぼくらの美術研究所』の代表である吉田さんにお話をお伺いしました。
『ぼくらの美術研究所』のご紹介
『ぼくらの美術研究所』通称BOKUBI 主宰の吉田美木です。
「障がいのある人もない人も一緒に本気アート」をモットーに、2013年10月に立ち上げた美術サークルです。対象は2才から大人まで。主に東京・練馬区と武蔵野市を中心に活動しています。月毎にテーマを決めて3回/月のワークショップを開催。1500円/1回ほどの参加費で、ご案内希望者へ一斉メールをして、その都度お申込みいただいています。
「研究所」の名の通り、やりづらい制作はやりやすく考え、それぞれが個性を発揮できるように工夫しています。はさみが使えないとか、手の力が弱いとか、皆さん様々ですが先ずは楽しく、決してリハビリにはならないように心掛けています。
講師は私を中心に、美術教員免許や臨床美術士の資格取得者、また児童館や放課後等デイサービス、幼稚園などで活躍している方々にお手伝いいただいています。
設立のきっかけ
次女がダウン症(現在小2)であったことがきっかです。それまで障がい者とほとんど関わったことがなかったのですが、
次女の療育通いの中で様々な障がいを持つお子さんと保護者に出会い、気付くことがたくさんありました。
次女の独特の言葉の聞き取りづらさから、家族もなかなか解ってあげられないことに、本人はきっともどかしさを感じ、フラストレーションは溜まり、満足が得られなかったかな?と思い、彼女たちの自己表現をもっと自由にさせてあげたい!と感じました。
自分には美術があったし、母校の美大に臨床美術士の資格が取れることが分かって、何だか全てセッティングされたようにタイミングがうまい具合に合って、すぐ準備を始め、2013年に多くの協力のもと設立が実現しました。
ダウン症だけでなく、肢体不自由の人、重度心身障がい者や自閉症、ADHDなど様々な障がいの人にも自由に表現してほしいですし、また健常者にも苦手を克服する手段に使って欲しいと思いました。なので、「障がいのある人もない人も」「子供も大人も」と対象は広くしました。
現在の取り組み
とにかくみなさん制作をしたいようですので、現在も基本は変わらず、月毎のテーマで活動しています。
その他、時々、企画展にお誘いいただいて出展したり、放課後デイなどに出張アートをさせていただいたりしています。
ぼくらの美術研究所が目指すもの
アートの世界に障がいがあるとかないとかは関係なく、互いにリスペクトし合えるアーティストでありたいと思います。
内に秘めたものを美術を通じて表現して、生きがいとか楽しさとかを感じて欲しいです。
将来的にはみんな同じフィールドでアーティストとして活躍してほしいですし、仕事にもつなげられる活動にしていきたいです。その第1弾が「PINTO」です。
メッセージ
人って第一印象とか、とても大切だと思うのですが、例えば次女のようなダウン症については、コーディネートがチグハグになりがちと言われていて、さらに気付きが疎いので下着が出ていたりだらしなくなりがちです。
母親として一生懸命教えるのですがなかなか難しいものです。でも将来、社会に受け入れてもらいたいですし、オシャレを楽しんでほしいとも思います。
アナログライティングとのワークショップは、ファッションとの取り組みで、自身のセンスを磨いて欲しいと思いタッグを組ませてもらいました。
BOKUBIの自由な表現をファッションデザインに生かす方法や、上手なコーディネート、着こなしなど洋服にまつわることをアナログライティング・ヤマモトくんに教わりたいと思います。
是非この機会に、オシャレ大好きな方々にお集まりいただきたいです。よろしくお願いします。