いま、北海道道南で、障がい者テレワークが とんでもない盛り上がりを見せている理由

みなさん、障がい者テレワーク(在宅勤務)をご存知でしょうか?

障がい者が自宅に居ながら、パソコンで「会社勤め」ができるというシステムです。
内職仕事の請負ではありません。
会社とインターネットでつながることで、自分の部屋がまるでオフィスの一室のようになるのです。9時から16時、日中の業務をまるでオフィスに居るかのように行います。
つまり、在宅ですが、正式な雇用契約のある勤労者です。
こういうことが可能になったのはつい最近です。インターネットで接続されているというだけでなく、業務進行のためにパソコン上で使うアプリも進歩してきたために可能になってきたのです。

北海道道南でのテレワークの始まり

北海道道南では、今年2019年1月に、(株)リクルートオフィスサポートが、12名の障がい者を採用しました。函館市を中心に、この働き方ですでにそれぞれのご自宅で働き始めています。
リクルートは東京都中央区にありますが、函館在住のままの障がい者12名が、毎日「東京勤務」しているわけです。

このリクルートが、募集を始めた時からすでに道南のみなさんの関心は高かったのですが、今回、2019年3月22日に東京から2社が来て、函館で企業説明会をやってみたら、とんでもない事態に。

企業採用説明会の人気が沸騰してしまったのです!

100名収容の会場なので、じゅうぶんな広さかと思っていたら、何と130名以上がご来場。
立ち見、というわけにはいかないので、追加のイスが置かれ、会場から人があふれんばかりに。
スタッフが中に入ることが出来なくなり、会場から漏れてくる音をドアの外で聞いているしかない、という状況になってしまったのでした。
主催は、テレワークのコンサルティングをしている株式会社テレワークマネジメントでしたが、「日本各地で説明会をやっていますけど、こんなふうになったのははじめてですよ~。」と担当の倉持利恵さんもビックリ。
いままでは、高知での説明会で、役所がかなりがんばって70名集めたのが最高だったそうですが、函館ではその約2倍の人が集まったのです。

障がい者テレワーク(在宅勤務)の採用活動を地方でお考えの東京の企業のみなさま。
北海道道南はこんなにも盛り上がっております。ぜひ、道南にいらしてください

これは決して、一過性のブームではありません
こんなふうに道南で盛り上がっている理由はいくつかあると思いますが、そのうちのひとつは、地元のマスコミが協力的である、ということなのです。

地元マスコミの影響力

北海道道南は函館を中心としたエリアですが、函館にはテレビ局、ラジオ局、新聞社、すべて有ります。
今回は、この3つすべてが「『障がい者テレワーク』は是非、世間に知ってもらうべきテーマだ」という思いを持ったようで、たいへん協力的に報道してくれたのです。

まず、NHK函館放送局の花岡記者がするどいアンテナで情報をキャッチ。1月8日からリクルートの在宅テレワークが開始されることを夕方の短いニュースで報道したのでした。
つづいて、2月19日には夕方のニュースで「障がい者テレワーク」について、特集報道。
放送時間にすると、たった7分の放送枠のために、片道5時間以上かけて美唄という所まで、取材に行ってくれたのでした。(その他にも何カ所も行っているので、7分のために相当の時間がかかったはずです。)
3月1日には「支援者向けテレワークセミナー」もニュース報道してくれました。
田舎ではNHKの視聴率が高いので、結構な影響力がありました。




つぎに、ラジオですが、函館ローカルの「FMいるか」に、コンサルティング会社・テレワークマネジメントの倉持利恵さんが、2度に渡って出演し、「障がい者テレワーク」について説明したことは、地元への情報浸透に役立ったようです。地域密着型ラジオ局を持っている街の強みです。

そして新聞ですが、まず、北海道新聞函館支社の伊藤正倫記者が2月19日に「障がい者テレワーク」の概説記事を書いてくれました。
この記事で初めて「障がい者テレワーク」というものの存在を知った方も多かったはずです。
3月17日には、さらに詳細な記事で、「障がい者テレワーク」がどういうもので、地元にとってどれだけ意義深いことか、しっかりと信頼に足る記事を書いてくれたのでした。
この記事が出たことはとても大きかった。
田舎では「東京の企業がうまい話を持ってくる」ということに強い警戒心を持って、疑いの目を向ける人もいるのです。この記事が、採用に来る企業の信頼度を高めてくれた、と言ってもよいと思います。
函館新聞の木村京子記者は、2度に渡って、企業説明会の告知記事を書いてくれたのでした。

こんなふうにして、企業さんが説明に来る前に、マスコミによる、言わば「前宣伝」が、しっかりと行われた形になったのです。
小さすぎる町ではテレビ局、ラジオ局、新聞社など無いでしょうし、大きすぎる都市では、マスコミの支局・支社があっても、ニュースとして取り上げてもらうのがたいへんすぎるので、伝わって欲しいことを一般の方に伝える、ということがかなり難しくなってしまいます。

その点、函館はちょうどよくコンパクトなサイズであり、「伝えることに意義がある」と思えば、一肌も二肌も脱いでくれるような記者が居る街です。
これからも「障がい者テレワーク」の話題をフォローして、報道する、と言ってくれています。

地方によっては、よそ者が自分たちの土地に入ってくることに強い抵抗感を持っているところもあります。そんな土地で東京の企業が説明会をやると言っても、まったく冷たい反応だったりするようなのです。
しかし函館では地元マスコミが、言わば「地ならし」をしてくれて、企業さんが来る前から、歓迎ムードが出来上がったのでした。

なぜ一過性のブームに終わらないか、については、他にも理由がありますので、それはまた次の機会にお話しいたしましょう。

ABOUTこの記事をかいた人

森山 晋悟(就労移行支援事業所 Ponte施設長)

▼プロフィール:
2015年9月 函館で、Ponte〈ポンテ〉を開所。主に心の病を持つ方々に就職サポートを提供。「癒やしと成長」をテーマに、たくましく社会で生きていける人材の輩出を行っている。
2017年2月20日 中小企業家同友会函館支部で講演。
2017年10月からはうつ病リワークプログラム(復職支援)も開始。
集団認知行動療法研究会会員。
2019年3月よりテレワーク就職を目指す方のための在宅訓練も開始した。
(2019年3月17日北海道新聞にPonteの活動が紹介されました。)
Facebook「就労移行支援事業所 Ponte」に最新情報載せています。


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