支援イベントインタビュー:Good Job! Award 2017

私たち「障害者雇用情報マガジン『ミルマガジン』」は、これから障害者雇用が今よりもずっと進む社会を考えた時に、実はあまり知られていない「障害者の働き方」をもっと知ってもらえるような役割が必要なのではないかと考えたところから生まれました。

現在、ミルマガジンの取材や職場のご紹介などで関わる企業や支援事業所からのお話を聞くことで、身体障害者だけではなく、知的障害者や精神障害者・発達障害者など、様々な障害特性を持つ方たちの“働き方”を発見することができます。現在、色々な企業や支援事業所で実践されている“働き方”の事例情報を、今後障害者雇用を本格的に取り組まれる企業と共有することで、自社に最適な雇用環境のヒントにしていただきたいと考えています。また、それら“働き方”の中には障害者に対する可能性を感じられる取組みや事例があります。

今回は、一般財団法人たんぽぽの家さんが2015年から主催している「Good Job! Award 2017」のプロジェクトメンバーのお一人である小林大祐氏に障害者との協働から生まれているプロダクトや活動、はたらきやすい環境や所得を増やす仕組みなど多様な取り組みを広めるための活動「Good Job! Award」 の取組みや思い、今後の展望などをお聞かせいただきました。(取材は、近鉄下田駅より徒歩5分の所にある就労移行支援事業所「Good Job! センター香芝」内にあるGood Job! Coffee

1.開催のきっかけを教えてください。

Good Job! Award 」開催のきっかけは、第三者となる審査員(バイヤー、デザイナーなど)による社会的・専門的な視点によって福祉を捉えなおす機会となり、障害と向きあっている現場の取り組みが洗練されたものとして社会に位置づけとすることができるようになるからです。2012年から全国の福祉事業所や企業に在籍している障害者が生み出すプロダクトやアート、知られていない障害者の働き方を展覧会形式「Good Job! Exhibition」で世の中に発信しています。2015年からはコンテスト形式を取りいれ、作品を発表するだけはなく、入選された取り組みを通じて、全国の障害者の新たな働き方の創造につなげていければという思いが込められています。

2.出品作品に関して教えてください。

Good Job! Award 」に応募できる取り組みは、全国にある福祉事業所や企業にいる障害者の方たちが作ったアート作品やデザインされたプロダクト製品、工夫された道具や労働環境、はたらき方をひろげるしくみなど、有形・無形に限らずエントリーできます。
ここで面白いのが、障害者の持つ技術や才能を活かす方法として考えられたものでもエントリーができるということです。例えば、地域にあるいくつかの仕事(名刺作成、書類封入、内職 など)を取りまとめて、得意分野が異なる福祉事業所に仕事を振り分けて依頼するといった「しくみ」や「地域とのつながりとなるアイデア」もエントリー可能なのです。
これらの「しくみ」や「地域とのつながりとなるアイデア」は、自治体を中心とした障害者雇用の促進を企業で導入してもらうための取組みの参考になるのではないかと考えられます。
作品のエントリー数につきましては、昨年度は61件となりましたが、今年はそれ以上(100件)となるようエントリーを募っています。

3.応募した取り組みの審査とその後の流れを教えてください。

応募した取り組みの審査は、11月に一次審査会が実施され、入選者が決定します。入選取り組みは、東京渋谷にある「渋谷ヒカリエ」で開催される「Good Job! Exhibition」に出展され、多くの方々の目に触れてもらえる機会となります。そして、来年2018218()の最終審査のもと大賞が決定します。
過去に入選された作品の中には、家具や雑貨の店舗・カフェでも有名な「D&Depertment」のナガオカケンメイさんから評価され、実用品としても認められるプロダクトが発掘されています。おそらく、今後もこういった形で入選作品の中から、商品化されるプロダクトが出てくるのではないでしょうか。
取材の最後にプロジェクトメンバーの思いを伺いました。それは、「楽しくクリエイティブな福祉と、たくさんの人が関わりあえるようにたい」ということでした。「Good Job! Award」の目指すことの中に、『新たなしごと・はたらき方が生まれる』というものがあります。これは、「障害のある人の創造性や表現、存在」と、「企業、行政、教育・研究機関、伝統産業・地場産業、デザイナー、流通の仕組みなど」を掛け合わせることで、「既存の価値観を変えるアイデアや感性」が生み出されるということを意味しています。私たちが持つ、障害者に対する「間違った思い込みやイメージ」を「Good Job! Award」は変えてくれる役割なのだと感じます。障害者や支援施設はもちろん、企業や色々な製品や作品を作っている団体などにも広く知ってもらうことで「Good Job! Award」が刺激となる存在になれればという思いからです。
世の中の多くは、仕事に対して売上達成や顧客を増やすという考えが当たり前ですが、人が持つ個の可能性をもっと発信たいと思っています。さらには、アートやデザイン、しくみで障害者が活躍できる場を世の中に発信していきたいということでした。障害者の作り出すアートやデザイン性の高さというものには、以前から可能性を感じていました。海外にいる障害者のアートが取り上げられたりする番組もご覧になったことがあるのではないでしょうか。こちらでは、障害者が作り出すアートをしっかりと本人たちの収入や生活にしていこうという強い思いがあります。我々ミルマガジンも応援したいと思います。
今後の活躍が楽しみな取組みでした。
イベント情報
イベント名:Good Job! Award 2017
応募期間  2017818()1018()
一次審査  201711月上旬
入選連絡  201711月中旬
最終審査・表彰式  2018218() 13:3016:30
※詳細はHPをご覧ください  http://award.goodjobproject.com/

ABOUTこの記事をかいた人

上前 忠司 (イルネス障害者雇用総合研究所代表)

[障害者雇用コンサルタント]
企業向けに障害者雇用サポートを提供し、障害者の雇用定着に必要な環境整備・採用コーディネート、また障害者人材を活用した事業に関するアドバイスを実施。その他、船井総研とコラボした勉強会・見学会の開催やコラム執筆など、障害者雇用の普及に精力的に取り組んでいる。講演のご依頼や雇用に関する相談は、当サイトお問い合わせからお願いします。