メンタルヘルスマネジメント「セルフケア」導入が企業にもたらす4つのメリット

皆さんはご自身でストレスとどのように向き合っているでしょうか。休みの日にショッピングや旅行に行ったり、ジョギングやスイミングなどの運動で自然とストレスを解消する行動を取られている方もいらっしゃると思いますが、案外ストレスのことを気にせず生活している人が多いことに気づきます。

人は仕事の場面もプライベートな場面でも、多くのストレスにさらされているのをご存知でしょうか。知らず知らずのうちにストレスが蓄積されて、限界を超えて表面化してしまった時には大事になってしまうというのは決して他人事ではありません。

ここ最近、偶然にもメンタルヘルスマネジメントに関するお話しをする機会が続きましたので、改めてメリットとなる点をご紹介したいと思います。今回は、メンタルヘルスマネジメントの中でも、自分で心の病を予防する「セルフケア」を知っていただくことで、従業員の皆さんにとっての生きやすい生活に繋げる参考にしてもらえればと思います。

① 知識を身に付けることが自己防衛になる

企業の研修や勉強会の席でメンタルヘルスに関するお話しをさせてもらう時に、参加されている従業員の方々にメンタルヘルスマネジメントをどの程度知っているのかをご質問させていただいてます。企業や業界によって結果は様々ですが、個人的な感想では、関心を持っている人の数はとても少ないと思います。

自分自身がメンタルヘルスマネジメントに興味を持ったのは人材会社で働いていた時のことでした。どうやらこの業界は人と企業を結び付ける仕事で、他の業界よりも人と接する機会が多い分、ストレスも抱えやすいという特徴があるようです。特に営業の担当は入社しても長続きしないことが多々あり、体力面というより精神的に疲れてしまった人を多く見てきました。そんな時に自分を守るという意味でメンタルヘルスマネジメント「セルフケア」を勉強することになりました。効果はありました。表現が難しいのですが、物事の捉え方であったり感じ方、考え方などを工夫してみたり他者の意見も理解をする力が身に付いたと思います。それらが身に付くことで、これまでであればストレスとして感じていた出来事や他者の考え・行動が、別の意味を示していると思うことでストレスにならなくなりました。

このような体験から、メンタルヘルスに関する知識が自分自身をストレスから守ってくれるということを感じられるようになりました。

② 周囲の異変に気付くことにも

メンタルヘルスマネジメントの初級編にあたる「セルフケア」を知ることで、自分の不調だけではなく、周囲で一緒に働く同僚や家族の異変にも気づくことができるようになります。

よく言われる話では、これまでと違った言動が目立つようになってきたらメンタル不調によるサインだというのは聞いたことがあるのではないでしょうか。仕事の場面であれば、

〇無遅刻無欠席だったのが、遅刻や欠勤が頻繁に見られるようになった

〇温厚だった性格が、他人の少しのミスに対して感情的に怒るようになった

〇するはずのないミスが目立つようになった

など

プライベートでも、

〇十分な睡眠がとれていない様子

〇食事を摂らなくなった

〇部屋に閉じこもり、家族や友人と接触を取らなくなった

など

このような状態が見られた時、自分自身では気付いていなかったり、気付いていても自分の頑張りが足りないなどと思い込むことがあります。そういった時には周囲が助け船を出すことで大事になる前に本人を救うことができます。

③ 人員に関するコストの削減に

メンタル不調による休職者が発生した場合のコストをご存知でしょうか。仮に「入社10年以上の30代男性 年収400万円台」という人材が、うつ病と診断されて休職から復職するまでに12ヶ月掛かったとした場合のコストは約1,000万円となります。企業により対応策が異なりますが、「休職中の給与保証」「代替従業員の研修・引継ぎ」「代替従業員への業務移管」「同僚従業員の残業代」など。これとは別で、新たに従業員を採用するとなれば、採用に対するコスト(人材会社、広告費等)もプラスされることになります。

これらを考えると従業員それぞれが普段から「セルフケア」に対する知識を身に付けることで予防を講じることの方が企業にとってははるかに有益となるはずです。

④ ストレスチェックの精度向上が職場改善に

201512月より導入が始まった「ストレスチェック制度」は少しずつ、浸透してきました。改正労働安全衛生法に基づいたこの制度は、職場における従業員が感じるストレスの原因を発見・対処することが目的となっています。ということは、職場を知っている従業員の理解と協力が必要不可欠となるのですが、導入企業のどれだけが、しっかりと従業員に対して「ストレスチェック制度」の必要性を説いているのでしょうか。

「セルフケア」を身に付けることで、「ストレスチェック制度」の理解と協力度合いが大幅に向上されます。それは、職場のストレス改善が自分のためにつながっているということをしっかりと理解しているからに他なりません。今は、導入間もない時期ではありますが、今だからメンタルヘルスマネジメントの重要性を重要因に周知してもらいたいと思います。

簡単にまとめた内容でしたので、興味のある方はネットで検索するところから始めてみてください。自分を守ることの大切さを知ってもらいたいと思います。

ABOUTこの記事をかいた人

上前 忠司 (イルネス障害者雇用総合研究所代表)

[障害者雇用コンサルタント]
企業向けに障害者雇用サポートを提供し、障害者の雇用定着に必要な環境整備・採用コーディネート、また障害者人材を活用した事業に関するアドバイスを実施。その他、船井総研とコラボした勉強会・見学会の開催やコラム執筆など、障害者雇用の普及に精力的に取り組んでいる。講演のご依頼や雇用に関する相談は、当サイトお問い合わせからお願いします。