職場見学:就労継続支援B型事業『Lala-chocolat(ララショコラ)』

障がい者の雇用を応援するこのミルマガジンでは自立を目指す障がいのある方たちを支援する就労系福祉機関のご紹介も行っています。

企業における障がい者雇用とは、もちろん法律による義務的な考えによるところが大部分を占めています。しかしながら、これからの障がい者雇用は「企業に根付かせる雇用」を目指す必要があると考えています。企業の求人活動により採用する障がい者は知的障がい者や精神障がい者、発達障がい者が多くなってきます。これまでのような「人事担当者に任せておけば大丈夫」といった雇用ではなく、一緒に働く従業員の方々も今まで以上に関わりを持つ機会が多くなります。そのためには、知識や経験が重要となってきますので、社外の専門機関の活用というのも検討しておくことをお勧めします。

社外の専門機関として企業に活用していただきたいと思っているのが「就労移行支援事業所」「就労継続支援A及びB型事業所」など、就職や働くことを目指す障がい者の就労訓練を行っている福祉機関です。おそらく、これからの障がい者採用は、これら福祉間を通して雇用を進める機会が増えてきます。
各福祉機関では、利用登録している障がい者(利用者)を日常の支援や関わりから、個々の特徴などを把握し本人たちに最適なサポートを行っています。それは、企業に就職してからも本人との関わりを継続し、職場に定着できる支援を提供してくれるからです。

平成29年の統計では全国に「就労移行支援事業所が3,471ヶ所」「就労継続支援A型事業所が3,776ヶ所」「就労継続支援B型事業所が11,041ヶ所」あります。近年、各事業所の数は増加傾向となりこれまでの福祉機関では見られなかった事業運営を始めるところが見られるようになってきました。

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職場見学:就労継続支援B型事業「hanahaco」

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就労継続支援B型事業『Lala-chocolat(ララショコラ)』

今回ご紹介するのは「社会福祉法人北摂杉の子会」が運営する就労継続支援B型事業である『Lala-chocolat(ララショコラ)』です。


こちらの『Lala-chocolat』は阪急電車「高槻市駅」より徒歩で3分程度のところにあります。

外観をご覧いただいてお気づきだと思いますが、どこにも「障がい者福祉施設」の表記がありません
まさか、このお店に障がいのある方たちが働いているだなんて想像もできないのではないでしょうか。ブラウンを基調とした落ち着いた雰囲気で、銀座にある高級な洋菓子屋さんのような佇まいをしています。

早速、お店に入ると正面にあるガラスのショーケースには上品な焼き菓子やチョコレートが綺麗に並べられています。店内の壁にも美味しそうなお菓子があり、贈答用に購入されるお客様が多いということです。見学にお邪魔したのはもうすぐ父の日というタイミングでしたので、プレゼントされたらお父さんも喜ぶと思います。





こちらのお店はオープンしてから4年目を迎え、地域でお住まいのお客様がよく利用されているということです。
販売されているお菓子はこちらのパティシエが考えたレシピをもとにお店のスタッフと利用者の方たちが作っており、定番商品と季節の商品で構成されています。お店に通う利用者の業務は「原材料の計量」「お菓子の成型や型抜き」「仕上げのコーティング」のような製造、「袋詰め」「シール貼り」など、お菓子作りの仕事にはたくさんの業務を切り出すことが可能だということです。
ということは、一般企業を想定した際、職場で様々な業務の準備をすることで障がい者個々の特性に適した業務マッチングが可能となります。それは、採用の時に幅広い候補者の中から人選をすることにつながります。


『ララショコラ』が他の就労継続支援B型事業所と違う点というのは、街にあるような一般の洋菓子屋さんと対等に勝負する立場を選択しているということがあります。
現在でも福祉事業所の利用者が一生懸命に作ったクッキーなどのお菓子を街角や公民館などで販売されているのを見かけます。クッキーの詰め合わせが1袋200円程度でしょうか。こちらの『ララショコラ』ではガラスケースにあるクッキーが1枚で200~300円で販売されています。これは、障がいのある人たちでもパティシエのレシピに基づいたお菓子を作ることで高い付加価値のある商品を提供することができるという証明になります。

店内から作業場で働いている人たちの風景を見ることができるのですが、障がいのある人たちが作業をしているようには見えません。
皆さん、真剣な眼差しで自分に与えられた役割を務めあげようとしています。

「社会福祉法人北摂杉の子会」の理念は『地域に生きる』です。こちらの『ララショコラ』も地域に根差したお店作りを念頭にたくさんのお客様に周知されてきました。この思いを継続させながら、より多くの方々に障がい者が作ったお菓子を提供していきたいということです。
また、こちらでは、支援学校や他の就労系支援機関からの施設外実習先として活用してもらいたいということです。仕事の作業マニュアルも整っており、就職を目指す障がい者の方たちにとってこちらでの実習を就職のステップにしてほしいという考えです。

『ララショコラ』の見学で感じたのは、これまでの障がい者施設に対する「ザ・福祉」というイメージを大きく壊す存在だということです。個人的なアイデアで『「ジュエリーショップのような外観」「入店するのに勇気がいるようなお洒落な内装」を持つお店に障がいのある人たちが働く』というのをずっと抱いていました。そのイメージを実現したお店があることにワクワクした気持ちになりました。

こちらの通販サイトからご購入していただくことができます。
【通販サイト】URL:http://lala-chocolat.shop/

施設の見学やお問い合わせは下記にご連絡ください。

『Lala-chocolat(ララショコラ)』
住所:大阪府高槻市城北町二丁目13-2
TEL:072-668-5055
営業時間:10:00~19:00
定休日:日曜日、祝日
URL:http://lala-chocolat.net/

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ABOUTこの記事をかいた人

上前 忠司 (日本障害者雇用総合研究所代表)

[障害者雇用コンサルタント]
雇用義務のある企業向けに障害者雇用サポートを提供し、障害者の雇用定着に必要な環境整備・人事向け採用コーディネート・助成金相談、また障害者人材を活かした事業に関するアドバイスを実施。障害者雇用メリットの最大化を提案。その他、船井総研とコラボした勉強会・見学会の開催や助成金講座の講師やコラム執筆など、障害者雇用の普及に精力的に取り組んでいる。

▼アドバイス実施先(一部抜粋)
・opzt株式会社・川崎重工業株式会社・株式会社神戸製鋼所・沢井製薬株式会社・株式会社セイデン・日本開発株式会社・日本電産株式会社・株式会社ティーエルエス・パナソニック株式会社・大阪富士工業株式会社・株式会社船井総合研究所・株式会社リビングプラットフォーム