パソコンやスマホが普及した現代は、人が簡単に情報を得られる世の中になりました。その一方で、間違った情報も得やすくなってしまったために判断に困ることも少なくありません。障害者雇用に携わる身としては、間違った情報を信じてしまったために、雇用推進の邪魔となってしまうことも懸念しています。
頻繁に閲覧するWebサイトなどはブックマークという便利な機能を用いると、すぐに見たいページを画面に表示することができます。
私も普段から参考にしたい数字や調べたいことをすぐに見られるようにブックマークしているWebサイトがあります。今日は、人事や障がい者求人の担当者の方が参考にしていただけるWebサイトをご紹介したいと思います。法定雇用率達成を目指す企業にとって必要な情報を得ることができます。また、新たな助成金情報など、定期的にチェックするメリットがあるかと思います。
① 『障害者雇用状況の集計結果』厚生労働省
こちらは、毎年12月中旬以降に厚生労働省から発表されています。
例えば、「身体障がい者・知的障がい者・精神障がい者の実雇用数」「法定雇用率達成企業の割合」「企業規模、産業別の雇用達成状況」など、1年ごとに障害者雇用のあらゆる集計結果をまとめて報告したものとなります。
これら数値は、雇用義務のある企業が労働局に報告される「障害者雇用状況報告書(ロクイチ報告)」をもとに算出しています。
② 『障がい者の職業紹介状況等』厚生労働省
こちらの資料も毎年6月頃に厚生労働省から発表されています。
主な内容はハローワークを通じて求職登録された障がい者や就職された障がい者の数値が報告されています。
ここでは、障がいを持つ求職者の動向をリアルに見ることができます。
就職を目指す障がい者の場合、現在はハローワーク以外にも人材会社を通じて企業に就職することが多くなりましたが、先ずは行政機関に相談に行かれる方が今でも数多くいますので、求職者の数を見ることができます。また、企業にとっても各種助成金の受給を考えるとハローワークからの求人が必要となるため、こちらの情報から求人数を把握することもできます。
③ 『障がい者を雇い入れた場合などの助成』厚生労働省
障がい者を新たに雇い入れた時に活用できる助成金があります。企業はこのWebサイトで紹介されている助成金をもっと活用すべきです。
企業は障害者雇用が未達成の場合、「障害者雇用納付金制度」と呼ばれる法律に従い、決められた額の納付金という名の罰金を支払わないといけない義務があります。一方で障がい者の雇用に伴い受給できる助成金もありますので、その場合は申請をしてきっちりと受け取ってもらいたいと思います。企業として受けられるメリットはしっかり享受しましょう。
あと、助成金は毎年同じものを同じ額を受給できるとは限りません。年度ごとに見直しや廃止されることがありますので、Webサイトで確認するか厚生労働省へ確認してください。
④ 『障がい者白書』内閣府
こちらの資料は障がい者の採用や雇用に直接かかわるものではありませんが、毎年障がい者の人口統計や雇用事例などを紹介しています。
特に雇用事例に関しては、企業が実際に導入した新たな働き方(ICT活用やテレワークなど)の事例を分かり易く紹介しています。
これからの障害者雇用はこれまでの義務感だけで進めるものではなく、企業の成長・企業メリットにつながる取り組みとして捉える必要があります。
⑤ WAM NET『障がい福祉サービス事業所情報』独立行政法人 福祉医療機関
全国にある障がい者の福祉サービスを提供する事業所の検索に活用できるWebサイトです。
地域によって事業所の数にバラつきがありますので、該当する事業所を見つけるのに最適です。今後新たな障がい者の求人を進める人事担当者が協力してもらう先として会社の近くにある福祉事業所を検索するときに活用してください。
⑥ 『障がい者の雇用支援』独立行政法人 高齢・障がい・求職者雇用支援機構
こちらも厚生労働省管轄となる独立行政法人です。
障がい者の採用や雇用を実現させるための相談などに対応し、ジョブコーチなどの専門家の派遣もしていただけます。
障害者雇用に関する助成金は労働局管轄だけではなく、こちらからも受給できる助成金があります。
労働局管轄の助成金との違いは、設備や専門人材の配置等に関する費用の一部を助成するという点と助成金額が数百万~数千万円とかなり高額な点です。
こちらも金額に見直しや助成金の廃止などがありますので、実際に受給を検討される場合は、Webサイトか各都道府県にあります支部にお問い合わせください。
こちらのWebサイトでは、メンタルヘルス関連の情報が発表されています。直接的に障害者雇用に関わるような内容ではありませんが、精神疾患からくる精神障がい者という点では気になる資料となります。 年々増加傾向にあるメンタル不調者に関する情報や各企業のストレスチェックを含むメンタルヘルスマネジメント対策の状況を知ることができます。 このメンタルヘルスマネジメント対策に関しては具体的なスキーム導入に関する結果はこれからになりますので、どの企業も模索中といった印象です。その中で実践している企業の情報というのも非常に参考になります。 今回ご紹介したWebサイトは1年に一回発表される資料や定期的に発信されるものなど色々な内容となります。活用メリットが大きいものもあります。 じっくりと読み込むことで見えてくるものがありますので、是非参考にしてみてください。⑦ 「労働安全衛生調査(実態調査)結果の状況」厚生労働省