はじめまして、メンタル特化ライターの村木タカトと申します。
今回、mill magazineさんでコラムを執筆させていただくことになりました。
私は、14年間で3度うつ病を経験しました。27歳のときには発達障がいの診断を受け、精神医療や心理学に強い関心を持ちました。
私のコラムでは、これまで経験したことを活かし、病気や障がいで悩む人が少しでも前向きな気持ちになれるような記事を執筆します。
今回は、私が「メンタル休職中や復職後に傷ついた言葉」を3つ紹介します。
病気や障がいに対する偏見はメディアやSNSの影響もあり、年々減少していると思います。ただ、いまだに人を傷つける言葉を口にする人がいるのも事実です。
言われた側は深く傷つき、今も悩んでいる人もいます。もしかしたら、この記事を読んでいるあなたも、周りの言葉に傷ついた経験があるかもしれません。
最後に、病気や障がいに対する偏見を話す人への対策もあわせて紹介するので、ぜひ最後までお読みください。
「遊んでいたんだね」
これは、病院の復職プログラムを利用して復職したときに、同僚に言われた言葉です。私は一度、病院の復職プログラムを利用したことがあります。
ある日、同僚と雑談をしており「休職中に何をしていたのか」という話題になりました。私は病院の復職プログラムの内容を話し、話を聞いた同僚は「遊んでいたんだね」と言ってきたのです。
病院の復職プログラムでは、心理学を学んだり、休職した理由をみんなの前で発表したりするプログラムがあります。
プログラム内容を言葉にすると簡単そうに感じますが、実際は決してそうではありません。
常に自分自身と向き合わなければならず、さらに病院のスタッフと今後の仕事の進め方について相談するなど、やるべきことが多くあります。
同僚に「遊んでいたんだね」と言われたときは、真剣に取り組んでいた分、とても悔しい気持ちになったことを今でもはっきり覚えています。
「自分も長期間休んでみたいですわ」

これは後輩に言われた言葉です。私は製造業で働いており、夜勤ありの交代制で働いています。
当時は新製品の試作やトラブルが重なり、疲労が蓄積してうつ病のため休職することになりました。1年後に復職したある日、後輩と雑談をしていると「先輩は1年も休めていいですね。自分も長期間休んでみたいですわ」と言われました。
私は、ただ休んでいたのではなく「うつ病の治療」のために休んでいたことを説明し注意しましたが、後輩が謝ることはありませんでした。
忙しい時期に私がうつ病になってしまいシフトに穴をあけたため、後輩にも不満や怒りがあったのかもしれません。
ただし、私が周りに迷惑をかけていたことは事実のため、それ以上強く言い返すことができませんでした。
休職中に「家にお金を入れろ」
この言葉ははじめてうつ病になり、実家に戻っていたときに、兄に言われた言葉です。
当時の兄は「うつ病は甘え・気合いでどうにかなる」と考えていました。また、傷病手当が支給されていることもあって、兄は私に「実家にいるうちは家にお金を入れろ」と言ってきたのです。
ただし、休職中でも毎月の税金を支払わなければならず、税金を払った後はなんとか生活できるものの、手元に残るお金はほとんどありませんでした。
兄に「家にお金を入れろ」と言われたことを、両親に話すと「家にお金を入れなくていいよ」と言ってくれました。
私も一安心しましたが、後で驚きの事実を知りました。
兄も過去、諸事情で実家に戻っていた時期があるのですが、その間実家にお金を1円も入れていなかったことがわかったのです。自分ができていないことを人に強く求めるのは、どうなんだろうと感じました。
まとめ|相手の主観的な意見に悩まないで

本記事では、私が実際に体験した「メンタル休職中や復職後に傷ついた言葉」を3つ紹介しました。
私が周囲の人から言われて傷ついた言葉には、きっとさまざまな感情を抱く方もいると思います。ただし、これらの言葉には、ある共通点があります。
それは「全て相手が感じた主観的な感想」ということです。
例えば「家にお金を入れろ」と言った兄は、私に「傷病手当で収入がある」という一面しか知りませんでした。
つまり、休職していても社会保険料・厚生年金・住民税などの各種税金を納める必要があることを兄は知らないのです。
残りの2つの言葉も、「私はこう思った」という主観的な内容を、そのまま私に伝えただけです。しかし、たとえ相手に悪気がなかったとしても、言われた側は傷ついてしまいます。
もしあなたが似たような言葉をかけられた場合は、次のような対策を試してみてください。
- 相手から距離を取る
- 他の人と話す
- 趣味に打ち込んで気持ちを切り替える
言われた直後は、ショックで気持ちがうまく切り替わらないかもしれません。ただ、世の中すべての人があなたを傷つけるわけではありません。
あなたを傷つける人の言葉に振り回されず、あなたを大切に思ってくれる人の言葉を大切にしてください。