離職の原因と自己理解の大切さ

高知県四万十町にある就労継続支援B型事業所「しまんと創庫」で、テレワークでの就職を目指している、吉村政宏です。
私はこれまで勤めた4つの職場を、2年足らずで離職しています。離職の原因は、人間関係のトラブルがほとんどです。

なぜ周囲の人と上手くやっていけなかったのか。就労継続支援サービスの利用を始め、自分のことを見つめ直すようになってから、その理由が、思い当たります。

仕事が続かなかった原因

私はADHDであり、注意欠陥の傾向が強い特性があります。これまで勤めてきた職場では、ケアレスミスをよく起こしてきました。商品の仕分けをできなかったり、業務中に別の仕事の指示をされると、一つ前の業務を忘れてしまったり、といったことをよくしていたのです。

いつもミスをしていれば、当然周りの人も段々腹を立てますし、自分への風当たりも強くなってきます。そういった環境の中でずっと仕事をしていたために、次第に周りの人を大切に思う気持ちや、仕事を大事に思う気持ちが失われていきました。やがて職場にいるすべての人が敵に思えるようになって、周りと頻繁に衝突を起こし、仕事に行くのが嫌になりました。
仕事をしていた時に、「そんなこともできない人に、どうやって教えていけばいいのか分からない」「人間の言葉が理解できないんでしょう」といったことをよく言われました。

私が自分の障がいについて知ったのは、約1年前のことです。
私が社会人として働いていたのは、それより更に以前の事であり、当時は自分に障がいがあるなどとは考えた事もありませんでした。そのため、「どうして」と、問われても返答のしようがなく、激怒する以外にとれる選択肢がありませんでした。そんなことでは、周りとうまくやっていけるはずもありません。

自分の障がい特性を理解してから

自分に障がいがあることを理解した現在は、当時の言葉のすべてが嫌味だったのではなく、本当に周囲の人には理解できなかった面もあるのだろうと思います。また、心をえぐられるような言葉を浴びる前に、こちらからしっかりと自己開示ができていれば、違った人間関係があったのかもしれないとも思います。
周囲の理解を得るためには、自己理解を深めていくことが、必要なのです。人間関係のトラブルを起こす「きっかけ」になっていたのは、障がい特性でしたが、それをきっかけに離職せざるを得なくなるほど追い詰められてしまった理由は、自己理解のなさにあったのではないかと考えています。

現在私が、就労継続支援サービスを利用する中で、自己理解を深めることが最も重要だと考えて取り組んでいるのは、こういった経験からです。
そして、自分を見つめ直していく中で、自分の課題を明確にすることも重要だと考えています。さらに、自分が抱える課題のうち、改善できるものと、できそうにないものを選り分けることも、非常に重要です。

改善できるもの・できないものを分ける

例えば、私が自分の特性の中で最も問題だと感じている、「ケアレスミスが多い」という特性ですが、そればかりを気にして、「機械のような正確性で仕事ができるようになろう」と努力しても、不注意傾向の原因が意識の外側にある以上、結果は思うように出せません。特性上、どうしても改善が難しい面は存在すると、私は考えます。

そこで現在は、ミスはある程度の不可抗力的要素であると考え、意識の内側にある、解決が容易な課題から順番に取り組むことにしています。私の場合は、見下されたような言葉をかけられたり、態度を目にしたりすると、すぐに頭に血が上るという性格があります。
しかし、「できるかぎり冷静でいるように努めよう」と思えば、感情や言動をコントロールして、怒りを抑えることができます。それが上手にできるようになれば、ミスをして、ちょっと強めに怒られたとしても、普段と変わらず対応することが可能でしょうし、角が立つこともないはずです。これも立派な処世術だと思います。

最も目立つ欠点ばかりに注意がいくと、それを何とか解決しなければと躍起になってしまいがちです。
私は事業所を利用するようになったばかりのころ、自分の不注意性を改善すること以外は頭にありませんでした。しかし、自分のたった1つの欠点が気になって仕方がない時ほど、視野を狭めず、他で補う事はできないものかと、目線を変えて考えてみてはどうでしょうか。
近頃私は、そういうことが、自分と上手に付き合うため、さらには社会と折り合いをつけるためにも、非常に重要になるのではないかと、思っています。

ABOUTこの記事をかいた人

吉村 政宏 (就労継続支援B型事業所しまんと創庫)

高知県高知市出身。2002年生まれ。
幼少期から周囲に発達障害を疑われ続けてきたが、自ら受診しようと思ったのは、2018年12月、26歳の時。ADHD(不注意優勢型)と診断された。2019年2月から現在まで就労継続支援B型事業所「しまんと創庫」にて、自分に合った会社への就労を目指し、テレワークでのデータ入力業務や、話し手としてのテレワークセミナーへの参加、文章力向上のための訓練などを行っている。