私を変えてくれた「テレワーク」という働き方

高知県四万十町にある就労継続支援B型事業所「しまんと創庫」で、テレワークでの就職を目指している、吉村政宏です。
今回は、私が行っているテレワークという働き方について説明します。

テレワークという言葉は、離れたところという意味を持つ「tele」と、働くという意味の「work」を掛け合わせた造語です。
厚生労働省のホームページには、「ICTを活用した、時間や場所を有効に活用できる、柔軟な働き方」と書かれています。ICTとは、パソコンやインターネット、コミュニケーションツールなどのことです。
テレワークは、自宅で働く「在宅勤務」と、顧客先や移動中に働く「モバイルワーク」、会社から離れたサテライトオフィスで働く「サテライトオフィス勤務」という、三つの働き方に分類されます。

現在の私は「在宅勤務」で仕事をしているので、今回紹介するのは「テレワーク」の中の「在宅勤務」という働き方です。
身近な人に在宅勤務の話をすると、「内職と同じなの?」という質問をされる事が多くあります。私も、初めて話を聞いた時は、テレワークと内職とを混同していましたが、在宅勤務と内職との間には様々な違いがあります。

在宅勤務と内職の違い

大きな違いの1つとして、私たちが決められた時間にオフィスに出勤しているという点があります。
この話をすると「家で仕事をしているのなら、オフィスには出向いていませんよね?」と尋ねられますが、テレワークでは、自宅にいながらオフィスに出勤する事をICTで可能にしているのです。

私たちがオフィスとして利用しているのは、「Sococo」という仮想オフィスコミュニケーションツールです。
このツールを使えば、カメラとマイクを使用して、遠く離れた人と顔を合わせて話ができるのはもちろんのこと、自身のパソコン画面を共有し、実際の作業手順を相手に見せながら、仕事の内容を共有する事もできます。各々が離れた自宅にいても、同じ空間にいるのと同等のコミュニケーションをとりながら、業務にあたる事ができるのです。
Sococo上にファイルをアップロードする事ができないという欠点はあるものの、ファイルそのものを共有したい時には、オンラインストレージを使用するなどの方法で対応可能です。

私たちの始業から終業までの流れは、決められた時間に「Sococo」にアクセスする事から始まり、皆で顔を合わせて朝礼会議を行ってから、各々が請け負った業務にあたります。そして終業前には、その日の業務進捗を報告するためのメールを上司と同僚に送ります。これが通常時の一日の大まかな流れです。
請け負った業務が終了した際は、でき上がったファイルを共有フォルダにアップロードし、そのファイルを上司が確認します。業務進行の際に分からない点があれば、「Sococo」でいつでも上司とコンタクトをとることができるので、業務の進行が止まってしまう事も無く、業務の進行は極めてスムーズです。

ここまでは、在宅であっても業務上のコミュニケーションに支障はでないという話でしたが、私は実際に在宅勤務を経験している内に、会社出勤と遜色ないどころか、むしろ在宅勤務の方が、意思の疎通を図る事において優れているという考えを持ちました
例えば、私が四国内のある工場で働いていた時のことですが、同じ部署で働いていた先輩たちは、皆一様に忙しなく働いていました。「一秒も無駄にできない」といった様子で仕事に打ち込んでいる先輩の姿を見て、質問を投げかける事を躊躇していた記憶があります。

これは常に相手の姿が見えていたからこそ生まれた遠慮ですが、コミュニケーションツールを使用した在宅勤務を始めてからは、こういったコミュニケーション上の問題を感じた事は一度もありません。なぜなら「Sococo」の中では、常に相手の姿が見えているわけではないからです。
「Sococo」内では、朝礼を行う時、上司に質問をしたい時など、必要な時に必要な分だけ顔を合わせてコミュニケーションをとっています。仮に、それ以外の時に上司が鬼気迫る表情で仕事をしていたとしても、そういった様子を実際に目にすることがないため、遠慮がちな性格の私でも、気兼ねなく上司に声をかけることができるのです。

体調面の変化

現場仕事をしている時と比べて、体調面にも良い変化がありました。
通勤、退勤にかかる時間が大幅に削減され、浮いた時間でトレーニングを行う習慣を身につける事ができたおかげです。現場仕事をしている時は、昼食はいつもコンビニ弁当に頼り、夕食も帰り際にインスタント食品を買って帰るという生活でしたが、多くの時間を自宅で過ごすようになり、自然と自炊をする習慣が身についた点も大きかったと思います。
その結果、在宅勤務を始めるまでは25%を越えていた体脂肪率が、現在は10%弱にまでなりました。こういった努力をする事ができたのは、時間に余裕のある在宅勤務という働き方ができているおかげです。

テレワークという働き方は、現在急速な広がりを見せています。私もこの流れに乗り、テレワークでの就職を果たし、時間を最大限有効に使いながら、社会に貢献したいと考えています。

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▼プロフィール:
高知県高知市出身。2002年生まれ。
幼少期から周囲に発達障害を疑われ続けてきたが、自ら受診しようと思ったのは、2018年12月、26歳の時。ADHD(不注意優勢型)と診断された。2019年2月から現在まで就労継続支援B型事業所「しまんと創庫」にて、自分に合った会社への就労を目指し、テレワークでのデータ入力業務や、話し手としてのテレワークセミナーへの参加、文章力向上のための訓練などを行っている。