取材レポート:就労移行支援事業所『WithYou』

新型コロナウイルスにより、普段の当り前だった日常のなかに新しいスタイルを取り入れていく場面が増えてくることになります。例えば、これまでの飲食店ではひとりでも多くのお客さんに来店してもらい、美味しい料理を食べながらおしゃべりをしたり楽しい時間を過ごしてもらうことを店側は考えていました。
ところが今回の新型コロナウイルスの緊急事態宣言後の新しい日常では、「人と人の間に距離を取る」「なるべく話をせずに食事を摂る」「こまめな店内の換気・消毒」など、利用されるお客さんにも理解と協力を求めるルールやお願いができました。

この新型コロナウイルスは障がい者を雇用する企業にも影響を与え、新型コロナウイルスによる影響を受けたため、雇用や給与の保証ができず従業員に不安を与えてしまった企業もたくさん出ました。また、障がい者福祉でも利用者との接触や3密を避けるための対処により、十分な支援サービスが提供できない状況になってしまい、事業運営に多大な被害を受けた支援機関も少なくありません。

そのような中、新型コロナウイルス対策を取りつつ、企業への就職を目指す障がい者の支援をする就労支援機関をご紹介したいと思います。
今回ミルマガジンでは、大阪に3ヶ所の事業所を開設しています就労移行支援事業所『WithYou』の取材として、当事業所の代表取締役 五反田とも子氏にお話を聞かせていただきました。

事業を始められたきっかけ

前職で働いていました会計事務所の顧問先のひとつだった法人が運営している障がい者就労継続支援A型事業所からのご依頼に対応したことが始まりでした。それまでは、障がい者のこともほとんど知らず、うつ病や統合失調症の方が障がい者の手帳を取得できるということも知らなかった私が就労移行支援事業所を開設するなんて夢にも思いませんでした。

当時、そのA型事業所の業務を担当しながら、障がいのある従業員の方たちに経理に関する仕事を指示したり質問を受けたりと関わることがたくさんありました。障がいのことも良く知りませんでしたので、配慮もできていなかったと思いますが、少し学校の先生になったような気持ちで障がい者の皆さんと接することができました。その後、別の法人が運営する就労系支援機関からも相談をいただく機会があり、同じように経理業務で関わったのですが、その事業所では障がい者への接し方や考え方に疑問を持つような経験をしたことがきっかけで、自分たちで障がい者の人たちが自立できるための支援を提供する事業所を作ろうと決心しました。

福祉事業所からの仕事に携わった時に、障がいのない人たちと同じように、障がいのある方たちも「自分たちの仕事や役割りが明確であれば元気になり、自信を持って取り組むことができる」ということを強く感じました。

事業所のご紹介と特徴について

当事業所は、精神障がい者・発達障がい者の方々を対象に自立に向けた就労支援サービスを提供しています。
前項にもありました様に、もともと私自身が会計事務所の出身ですから、当事業所では会計やオフィス事務の知識や技術を基礎の部分から教えるスタッフが揃っています。ハローワークの求人票を見ると、経理や会計業務の求人募集をしている企業が多いことに気が付いたのもこの分野に力を入れている理由のひとつです。それら以外にもWEBクリエイター・デザイン関係、ITエンジニアやプログラマーなどの専門講師も配置し、特定の技術や知識を身に着けたい方の要望にお応えできるサービスを提供することで、高い就職率を実現しています。

また、自身も過去に精神疾患を経験した人材が、今は支援スタッフとして勤務しております。自分たちが受講生(当事業所では利用者を受講生と呼んでいます)だった時に必要だと感じていたサポートを今では支援スタッフの立場として受講生の方たちに対して実施することができる点も当事業所の大きな特徴だといえます。

就労移行支援事業を始められて感じたこと

自立や就職を目指す障がい者の中には、なかなか自分の居場所を見つけることができずに悩んでいる方が多くいらっしゃいます。そのような方々が当事業所に相談に来られるのですが、来所をきっかけにして自分のやりたいことが明確になったり課題が見つかったりして、やる気が元気につながるという障がい者をたくさんこの目で見てきました。これは障がいの有無に関係なく、人にとってやりたいことや目標を持つことはとても大切だということです。そのため、受講生には何でもいいからきっかけとなる行動を大切にしてほしいと思います。

それと、世の中の障がい者に対する理解の少なさを痛感しました。事業をスタートさせる前の私も同様に、普段から障がい者と関わる機会のない人たちからすれば、障がいのことを分かるというのは本当に難しいことです。しかし、難しいからと終わらせるのではなく、少しずつでも障がい者の理解を世の中に浸透させていくのは福祉として関わっている我々の使命だと感じています。一方で、障がい者の方たちも社会を理解する力を身に着けてほしいと思います。

障がい者雇用に取り組む企業の担当者へ

先ずは障がい者のことを知ってほしいと思います。それは、「障がい者のこと」「就労移行のこと」「精神障がいという障がいのこと」などたくさんあります。人は知識を身に着けると更に知りたいという欲が生まれます。障がい者のことに興味を持ち、少しのことから知識を増やし、色々なことを知ってほしいと思います。

自立を目指す障がい者へ

もし、就職や自立などで悩んでいるのであれば、どこでも良いので支援事業所に相談をしてみてください。もし、大阪に在住されているのであれば当事業所にお越しください。
初めて相談するのであればとても勇気のいることだと思います。ひとりで考えるよりも、たくさんの情報や知識を教えてもらえますので、今よりも前進することができます。我々支援事業所に相談していただき、悩みを共有してください。人生を変えるお手伝いができると思います

この取材を通して、代表取締役の五反田様の受講生の方たちに対する強い想いを感じることができました。それは、五反田様の考えが時には周囲から見れば厳しい人物と捉えられることもあるというお話だったのですが、これから受講生の方たちが求職活動や企業に採用されてから苦労をしないための態度ではないだろうかということです。
社会に出ると「障がい者だから」といって皆が手を差し伸べてくれるわけではありません。どちらかというと、世間の厳しい洗礼を受ける障がい者の方が多いのではないでしょうか。そのようなときにでも、しっかりと自分の足で立てる強さを身に着けてほしいという親心だと思います。
就労移行支援事業所 WithYouの五反田様、スタッフの皆さんご協力ありがとうございました。

『就労移行支援事業所 WithYou』
URL:https://foryourlife.jp/

【本町校】
所在地:大阪市中央区南本町4丁目5-7 東亜ビル1005号

【堺筋本町校】
所在地:大阪市中央区本町橋2-22 第26松屋ビル401号



【梅田校】
所在地:大阪市北区神山町1-5 扇町公園ビル801



ABOUTこの記事をかいた人

上前 忠司 (日本障害者雇用総合研究所代表)

[障害者雇用コンサルタント]
雇用義務のある企業向けに障害者雇用サポートを提供し、障害者の雇用定着に必要な環境整備・人事向け採用コーディネート・助成金相談、また障害者人材を活かした事業に関するアドバイスを実施。障害者雇用メリットの最大化を提案。その他、船井総研とコラボした勉強会・見学会の開催や助成金講座の講師やコラム執筆など、障害者雇用の普及に精力的に取り組んでいる。

▼アドバイス実施先(一部抜粋)
・opzt株式会社・川崎重工業株式会社・株式会社神戸製鋼所・沢井製薬株式会社・株式会社セイデン・日本開発株式会社・日本電産株式会社・株式会社ティーエルエス・パナソニック株式会社・大阪富士工業株式会社・株式会社船井総合研究所・株式会社リビングプラットフォーム