雇用企業インタビュー:株式会社障 がい者つくし更生会

障がい者雇用率81.6%、法定雇用率102.6%を実現している企業があることをご存知でしょうか。

更にこの会社は障がい者の雇用義務のない規模の企業です。(従業員数38名のうち障がい者数が31名)

今回、ミルマガジンのインタビューにご協力いただいたのは、福岡県春日市にあります「株式会社障 がい者つくし更生会」様です。こちらの会社には、日々多くの企業が雇用現場の見学を通して自社での採用の参考にするため来社され、その多くが驚くような障がい者雇用を実践されています。

今回のインタビューは、年間に多数のご講演をされています専務取締役の那波様からお話をお聞きしました。

読者向けに会社の紹介をお願いします。

不燃性の一般廃棄物の中間処理施設(破砕機、最終処分場、運搬等を含む)全般の運転管理を行っています。社員数37名中、障がい者手帳所有者32名(2017年11月現在)の様々なタイプがいる会社が、お陰様で補助金等を利用することなく株式会社として30年以上運営をさせていただいています。

障がい者雇用に取り組んだ経緯やキッカケを教えて下さい。

昭和59年当時、座して待って他者に甘えても障がい者の就労は実現困難であったため、有志が集まり自ら株式会社を設立しました。

準備段階や開始当初の失敗談や苦労はありましたか?また、その克服方法は何でしたか?

「障がい者が多く働いている会社は、仕事はできない、できるはずがない」とされる風評を打破することなどでした。仕事でお客様から信用される結果を出すことです。

障がい者雇用に関する勉強はどの様にしていますか?また、情報収集の方法も教えて下さい。

障がい者雇用専用の勉強は長年特にせずにきました。共に働き、仕事を通じて発生する課題等を解決、改善するために工夫し、成果を出すことが必然的に勉強になりました。健常者への対応も基本的には同じだと考えています。
弊社へ様々な立場の方々が多数見学、研修等に来られることもあり、ここ数年は他の障がい者雇用をされている成功事例の企業様の見学やセミナー等の講師として参加しています。

障がい者雇用の為に社内で新たに始めたことはありますか?

もともと障がい者の就労を目指すための会社として設立しましたので、改めて取り組みを始めたことは特にありません。
最近では取り入れられるようになってきました実習についても、採用を目的としたものではなく、あくまでも障がい者の方たちの就労経験のために受け入れています。
採用で最も重要にしているひとつは面接です。相手を理解するためであれば2日間に渡っても実施します。面接の回数を重ねて、時間を掛けながら雑談などを通じて相手を知ることを心掛けています。障がい者の方たちとの会話の中から自分でも自覚できていないことを聞き出すことが多いです。例えば、過去の社会経験から、実践した工夫や周囲からの配慮してもらった内容を引き出し、どれだけのことができる人材なのかを自分の口からお話ししてもらうことができます。また、それをきっかけに過去の辛いことや経験談を聞かせてもらうこともあります。そうすると、これまで経験した話がたくさん出てくるようになるのです。

障がい者雇用の為に利用したサービスはありますか?

これまで、障がい者の雇用に関連するサービスや補助金・給付金などを活用したことはありません。強いて挙げるなら、聴覚に障がいのある方々向けに講演やお話をする際に手話サービスを活用した程度です。講師としての負担を減らすという意味もありました。

障がい者雇用を始めて感じたメリットはありますか?

弊社にとって障がいがあっても成長し、当たり前に働ける会社にすることを念頭に置いて事業を継続してきたことが、昨今社会から注目され、とても高い信用、評価をいただけるようになったことなどが挙げられます。

今現在、障がい者雇用においての目標は何ですか?

障がいの有無に関係なく成長できる組織を発展させ継続していくことです。

障がい者雇用に取り組もうか悩んでいる企業へのエールをお願いします。

現在の企業の中での上司部下の関係、社員間の人間関係が良く、社員を素直に成長させている環境があり、社会から必要とされている会社であれば、障がいという特性を持ったタイプの方にも柔軟に対応し成長させられる確率は高いと考えます。

就業準備中・求職活動中の障がいを持った方へのエールをお願いします。

皆さんのことを知りたいと考えている企業はあります。ただ、知らない、どのように接すれば良いのか分からない状態の人達が多いようです。なので、皆さんが企業の方達が安心できるように自身のことを自分の言葉で素直に伝え、可能性を気付かせる準備(複数の人と)をして下さい。その努力を積み上げた人は、障がい特性を持っていても企業からは必要な人材として受け止められる可能性は高くなると思います。

会社情報
会社名:株式会社障 がい者つくし更生会
代表者名:山北 秀男
設立日:昭和59年3月
業 種:一般廃棄物処理業
所在地:福岡県大野城市上大利5-15-28
ホームページ:http://www.csf.ne.jp/~tukusi-2/
事業内容:不燃性一般廃棄物処理施設の運転管理等

ABOUTこの記事をかいた人

上前 忠司 (日本障害者雇用総合研究所代表)

[障害者雇用コンサルタント]
雇用義務のある企業向けに障害者雇用サポートを提供し、障害者の雇用定着に必要な環境整備・人事向け採用コーディネート・助成金相談、また障害者人材を活かした事業に関するアドバイスを実施。障害者雇用メリットの最大化を提案。その他、船井総研とコラボした勉強会・見学会の開催や助成金講座の講師やコラム執筆など、障害者雇用の普及に精力的に取り組んでいる。

▼アドバイス実施先(一部抜粋)
・opzt株式会社・川崎重工業株式会社・株式会社神戸製鋼所・沢井製薬株式会社・株式会社セイデン・日本開発株式会社・日本電産株式会社・株式会社ティーエルエス・パナソニック株式会社・大阪富士工業株式会社・株式会社船井総合研究所・株式会社リビングプラットフォーム