今回、ミルマガジンのインタビューにご協力いただきましたのは、「日本一」の品質を掲げ中古オフィス機器のリサイクルと販売の事業をされている「リベラル株式会社」様です。こちらの会社は、オフィスサポートを事業としているラディックス株式会社様の特例子会社になります。
しかし、その企業理念や業績は特例子会社の域を超えているといっても過言ではありません。また、先日は社会への貢献を大切にしている企業に贈られる「ホワイト企業大賞」を受賞されました。
インタビューにお答えいただきましたのは、クラフトマンシップ事業部管理課の佐久間 賢様です。従業員全員が誇りをもって働いていることが伝わってきます。
Q1.読者向けに会社の紹介をお願いします。
Q2.障害者雇用に取り組んだ経緯やキッカケを教えてください。
そういった経緯で設立された会社がリベラルです。
Q3.準備段階や開始当初の失敗談や苦労はありましたか?また、その克服方法は何でしたか?
何度説明しても理解に時間がかかる、わかりやすいと思って作った自信作のひらがなをふったマニュアルも、字が読めない社員には通用しない、想定外のことが続く日々でした。そんな毎日の積み重ねですから、私たちもかなり疲弊してしまい、江戸川区の就労支援センターへ相談しました。
その時に、私たちの疲れきった顔を見て「障害者雇用に必要なのは、のんき・根気・元気」という言葉をかけてくれました。
この言葉は、今でも私たちが大切にしている言葉です。当時の私たちはその言葉にどれだけ助けられたか、今思い返しても、あの出来事は忘れられない転機です。「元気はあったけど、のんきと根気はなかった・・・」そう気づいた瞬間でした。
それからは、大変な時こそ「のんき・根気・元気」の言葉を思い出しています。障がい者が理解できないのは本人に問題があるのではなく、教える側の問題です。障がい者一人ひとりに合わせたマニュアル作成など、工夫を重ねることに妥協を惜しまず障がい者と向き合っています。
Q4.障害者雇用に関する勉強はどの様にしていますか?また、情報収集の方法も教えてください。
障がい者と本気で向き合い、どうすれば彼らを成長させられるかを日々考え続けた結果が今のリベラルであり、山あり谷ありでしたが、彼らと共に仕事をしてきたことが何よりの学びになりました。
日々開催されている障がい者関連のセミナーに参加したり、弊社に会社見学に来られる企業・団体の方々との情報交換も学びの場になっています。
Q5.障害者雇用の為に社内で新たに始めたことはありますか?
それからは何か問題が起きた時には必ずクレドを見返し、社内にも掲示することで同じ方向を向いて仕事をすることができています。また、健常者社員に対しては障がい者を指導する際に、ブレがないよう独自の雇用指導マニュアルを作成し健常者社員で共有しています。
設立からしばらくは知的障がい者中心に雇用をしていましたが、2014年からは精神障がい者の雇用も始め、それに伴い職域を広げることができました。
今では、PCデータ消去、キッティング作業、仕入業務、販売なども障がい者が行っています。
Q6.障害者雇用の為に利用したサービスはありますか?
就労支援機関や教育機関からは、障がい者と接する際の姿勢を学び、また、既に障害者雇用をしている企業や特例子会社には見学をさせていただき、取り組み方や工夫を学ばせてもらいました。今まで本当にたくさんの方々に支えていただいたと感じています。
設立当初から、親会社の特例子会社だけでなく地域の特例子会社になることを目指してきましたから、地域との繋がりは、今も大切にしています。何か困ったことが起これば、就労支援機関や学校、ご家族と共に、障がい者当人にとって最善は何かを考えています。
Q7.障害者雇用を始めて感じたメリットはありますか?
お客さんからお褒めの言葉をいただくと必ず彼らに伝えるようにしています。そうするとすごく嬉しそうな表情で、最高の笑顔を見せてくれます。そんな彼らの笑顔を見ていると健常者も幸せになれますし、逆に「健常者である私たちが障がい者を守ろう」「障がい者に恥じない仕事をしよう」といった覚悟ができます。設立以来、製販一体型をとっているのもそれが理由です。
障がい者と共に働くということで、心が豊かになっていると思います。こういった環境で働けることは幸せですね。
Q8.今現在、障害者雇用においての目標は何ですか?
「人が会社に合わせる経営ではなく、会社が人に合わせる経営」というリベラルの経営方針を守り抜き、その職場環境を作り続けることが、組織としての永遠の課題です。
Q9.障害者雇用に取り組もうか悩んでいる企業へのエールをお願いします。
弊社の経営方針は「人が会社に合わせるのではなく、会社が障がい者(人)に合わせる経営」です。ひとりでも多くの障がい者が雇用され、戦力として活躍できる場ができればという思いを込めて、今後も「障がい者の仕事ぶりを世の中へ拡める」ということを使命として事業性と社会性双方を実現できるよう取り組んでいきます。
リベラルだけでは達成できない、「障害者雇用が義務だけではない社会」をみなさんと共に目指していきたいです。(いつでも見学を受付しております。是非お気軽にお越しください!)
Q10.就職準備中・求職活動中の障がいを持った方へのエールをお願いします。
就職は、決してゴールではありません。大切なスタートであるべきです。
就職活動が思うようにいかないと、つい妥協してしまいそうになったり、意欲を失ってしまったり…私自身もそうでした。
でも今はリベラルに就職して、仕事ができていることが、とても幸せです。働くことがこんなにも楽しいとは思ってもいませんでした。就労が難しいと言われる障がいをもつ私が働けているように「たとえ道のりは長くても、自分に合った会社に巡り合える」と今の私は、胸を張って言うことができます。
・求めるだけではなく、本気で努力する。
・自分の居場所を自らの手でつかみとる。
「心」が喜ぶ仕事をして、いきいきと働くことで、他の障がい者に勇気を与えられるよう一緒に前へ進んでいきましょう!
インタビューにご協力いただきありがとうございました。
会社名:リベラル株式会社
代表者名:本間 省三
設立日:2008年4月
業種:卸売業・小売業
所在地:東京都江戸川区西葛西3-8-18 西葛西3丁目ビル2階
ホームページ:https://www.riberal.co.jp/
事業内容:中古OA機器販売事業 他
「日本一綺麗な中古OA機器を生み出す」ことを指針として掲げ、新品同様の品質で中古OA機器を市場に創出することで、企業理念である「障がい者の仕事ぶりを世の中へ拡める」ことを果たしています。