インタビュー:ミンナのミカタぐるーぷ

今回、インタビューにご協力いただきましたのは、栃木県鹿沼市で障がい者就労支援事業を運営している「ミンナのミカタぐるーぷ」です。

「ミンナのミカタぐるーぷ」では、就労継続支援A型事業所、就労継続支援B型事業所、そして障がい者就労支援施設専門BPO(アウトソーシング)事業があります。
インタビューにお答えいただきましたのは、「ミンナのミカタぐるーぷ」の代表である兼子文晴様です。

★「ミンナのミカタぐるーぷ」では、「障がい者」や「利用者さん」ではなく、”ミンナ”と呼んでおります。

1.読者向けに施設の紹介をお願いします。


ミンナのミカタぐるーぷでは就労継続支援A型事業所・就労継続支援B型事業所の2事業所と障がい者専門BPO(アウトソーシング)事業を運営しております。
私共は「日本から障がいと言う言葉と概念を無くし、全国800万人のミンナのミカタになる」と言うミッションの基、ミカタ(スタッフ)・ミンナ(利用者さん)が日々同じ思いで、仕事をしております。
又、「日本一明るい事業所」と言う考えで毎日、元気いっぱいに仕事をしています。

一番大切にしていることは「夢」を持つこと。障がいがあるから「夢」が叶わないという事ではなく、障がいがあるから「夢」が叶えられるんだと言う事を常に伝えております。
そして「人間力」を磨くこと。仕事の得意、不得意はあるとは思いますがそれは健常者でも障がい者でも同じこと。それよりも「人」として正しいか、正しくないかに重点を置いています。助けてもらったら「ありがとう」と素直に言えたり、間違った事をしたらちゃんと注意して正しい方に導く。そういった普通な事を常に伝えながら日々、運営をしております。

そしてミンナのミカタぐるーぷの最大の強みは「営業力」です。
企業様にミカタ(スタッフ)全員で日々営業を行い、仕事の受注をしております。私自身、営業マンだったこともあり営業が得意です。営業活動によりミンナ(利用者さん)に光を当て、企業様に知ってもらう事で日本の「障がい者」のイメージの変革させる事に繋がると感じます。

ミンナのミカタぐるーぷは「攻める」就労支援事業所です。

2.施設で提供している支援の内容とその流れを教えてください。

【ミンナのミカタ晃望台:A型事業所】

  • 「事業所内」

PC作業(データ入力・集計・AIデータベース構築・アンケート集計・ライティング)や内職作業(封入作業・検品・梱包・イベントグッズ作成)での技術の習得や知識向上のため、それぞれの作業ごとにリーダーを置くことで責任感を養い、個々の得意なことを伸ばし、共に成長しながら作業を行っていけるよう支援を行っています。

  • 「施設外就労」

農園補助・草刈り・剪定・草取り・機械を使用したタイヤの着脱・ポスティングなど、実際に企業様の作業を行うことで、仕事に対する意識を高く持ち、一般就労へのビジョンを明確に持てるような支援を行っています。

  • 「就職活動」

就労に意欲的なミンナの1番の応援団でいるために、ハローワーク・生活支援センター・計画相談員とチームを組み、ミンナが胸を張り自信をもって一般就労ができるように全力でサポートしています。

  • 「利用の流れ」

①ハローワークで求人応募の確認
②事業所で面接を行い、内定
③採用となった場合、調査・認定(障がい福祉課の方に受給者証の発行をお願いする)
④受給者証発行後、契約・利用申込み
⑤サービス利用開始

【ミンナのミカタのナカマ茂呂:B型事業所】

  • 「支援内容」

施設内での作業や、お客様の所へ出向いての施設外就労を通して、生活リズムを整えたり、働くことの楽しさや、働く仲間と協力しあう事、お客様に必要とされる喜びを感じてもらい、次のステップである、A型事業所や一般就労への土台を作っていきます。

また、挨拶やありがとうをたくさん言えるようになることなど、人としての成長を大切に考え支援を行っています。施設内の作業は、パソコンや組み立て作業、封入作業やピッキング作業など多岐にわたっており、一人ひとりに合った作業を提供しています。
また、スタッフが丁寧に教えてくれるので、新たな作業にチャレンジすることで、自分の知らなかった才能を発見し、自信につながっている方もいらっしゃいます。

  • 「相談支援」

ミンナが安心して次のステップへ進めるように、一人ひとりの状態に応じて面談を行っております。生活面や、対人面、今後の就労だけでなく、夢をかなえるためにどうしたらいいのかなど、様々な話をしながらサポートしています。

  • 「ステップアップへの安心サポート体制」

当事業所で訓練を行い、実力が付いたら、A型事業所や一般就労への挑戦も応援しております。
A型事業所の見学や実習、企業様への訪問同行、履歴書の書き方や、面接の練習、通所や通勤の訓練などを行っています。ステップアップ後も、継続して働けるように、卒業後も定期的にご本人との面談などを行います。

  • 「在宅支援」

コロナウイルスなど、通所への不安がある方に、在宅支援も行っております。
お電話で、作業前と作業後に体調や作業の進捗確認などの連絡をさせていただきます。月に1回~2回事業所で面談も行っています。

3.支援に関して、今後力を入れていきたいことはありますか?

【ミンナのミカタ晃望台:A型事業所】


守る支援を行うのではなく、個々の個性を存分に発揮できるよう、一般の企業と相違ない環境作りをしていき、個々がそれぞれの分野で輝けるような攻めの支援を行っていきたいと考えています。
ミンナの自ら何かをやりたいという声にしっかりと耳を傾け、全力でサポートできるような支援を行っていきます。

【ミンナのミカタのナカマ茂呂:B型事業所】


コロナ渦で、リモートワークを推進されている企業様が増えてきており、今後の就労の形が変わってくると考えております。
これからの企業に必要とされる人材を育成するために、基本的なパソコンのスキルを身に付けられるように、パソコンでの作業に力を入れていきたいと考えております。

4.現在の障がい者の就労・就職全般に感じる問題点・困っている事はありますか?

問題点、困っている事に関してはやはり、企業様の障がい者に対する、出来る仕事の理解がまだまだ進んでいない所だと感じます。
一般的な障がい者の仕事のイメージがパンやクッキー・アクセサリーを作ったり、箱折をしているイメージが強く浸透している事です。

しかしミンナのミカタぐるーぷではAIの裏側を担ったり、チャットボットのデータを作る、HPのライティング、施設外就労では工場のラインに入ったりタイヤの脱着作業等、多岐に渡る仕事をしています。今では自分たちで企画・編集を行い「ミンナのミカタちゃんねる」という、You Tubeチャンネルも作り始めています。

その様な事が出来るという情報がまだまだ足りない。
企業様もしょうがなく法定雇用率達成のために雇用するという考えで採用活動をしている感じがします。そして、「障がい」という言葉だけで偏見や壁があるのも確かです。その様な意識を変えて行くことが重要だと感じます。
又、就労支援施設側も旧態依然のままの運営から、障がい者を「守る」「手伝ってあげる」と考えている事業所が多い事も問題だと思われます。
そのような事業所では正直、この先は運営に息詰まると感じますし、世の中に障がい者の「出来る」「新たな企業の戦力だ」というイメージに変革出来ない、そろそろ意識改革をしないといけないのではと思っております。

5.障がい者の受け入れに悩んでいる企業へのエールをお願いします。

まずは急いで障がい者雇用をしないで下さい。私は急いで障がい者雇用をし、失敗している企業様を何社も見ています。
なぜかと言うと、ハローワークや求人サイトで募集をかけて雇用をしてしまうと、その人のバックグラウンドがわからないからです。バックグラウンドがわからないがために、何か問題が起こった場合に企業様がどこにも相談できずに退社となってしまう。。

その解決策として、まずは企業様が就労支援事業所に仕事を発注してみて下さい。そして実際に障がい者に自社の仕事を任せてみて下さい
その中で、発注企業様の仕事をしっかり出来る障がい者が必ずいます。そこから自社の仕事に慣れた障がい者を直接雇用することが、時間は掛かるようで実は一番の近道です。

そして就労支援事業所から就職することによって、就職後に何か困った際も就労支援事業所に相談が出来ますし、最悪の場合、彼らが帰る場所にもなり、障がい者本人・企業様・就労支援事業所が皆安心の雇用となり、継続雇用の環境が作れると思います。毎日、私達は障がいを持ったミンナと共に仕事をしていますが、彼らは企業の戦力になると確信しています。

今はコロナ渦で人材過多に一時的になっていますが近い将来必ずまた人材不足になります。今後、その人材不足の新たな企業の戦力になるのは障がいを持ったミンナだと思います
ぜひ企業様、就労支援事業所の存在を知って頂き、障がい者が別け隔てなく働ける日本を共に創りましょう。

6.就職準備中・求職活動中の障がいも持った方へのエールをお願いします。

実は私自身が「パニック障がい」を持った障がい者です。精神2級の手帳も持っています。
こんな私でも今、こうして代表として就労支援事業所を運営しております。それは経営者になりたいという「夢」が昔からあったからです。
そして就労支援事業所と出会い、障がい者という固定観念が全て壊され、自分でこの事業を立ち上げようと決意をし、今があります。

「夢」を持って下さい!
小さい頃に自分がなりたかった職業など誰にでもあると思います。その「夢」は諦めなければ必ず達成できます。私も毎日、障がいを持っているミンナと共に仕事をしております。
障がいを持っているミンナの能力は本当に凄いな、健常者以上に仕事が出来るなと日々驚かされています。その力を、社会に出て思う存分発揮してほしいと思います。必ず出来ます。頑張って下さい!


ご協力ありがとうございました。

■施設情報

<施設名>
①株式会社ミンナのミライ 施設名:ミンナのミカタ晃望台
②株式会社ミンナのナカマ 施設名:ミンナのミカタのナカマ茂呂
③株式会社ミンナのシゴト 障がい者就労支援施設専門BPO
上記3社で非法人の【ミンナのミカタぐるーぷ】として運営

<代表者名> 兼子文晴

<設立日>
①株式会社ミンナのミライ 平成25年6月11日
②株式会社ミンナのナカマ 平成28年6月3日
③株式会社ミンナのシゴト 平成23年4月1日(休眠だった会社を再開させたため創立は古いです。本格的にBPOを始めたのは平成29年10月26日です。)

<業種>
①株式会社ミンナのミライ 就労継続支援A型事業所
②株式会社ミンナのナカマ 就労継続支援B型事業所
③株式会社ミンナのシゴト 障がい者就労支援施設専門BPO(アウトソーシング)事業

<所在地>
①株式会社ミンナのミライ 栃木県鹿沼市貝島町512-4北星ビル2F
②株式会社ミンナのナカマ 栃木県鹿沼市茂呂2533-12
③株式会社ミンナのシゴト 栃木県鹿沼市貝島町512-4北星ビル3F

<ホームページ>
ミンナのミカタぐるーぷHP:https://minnanomikata.com/
ミンナのシゴトLP:https://minnanomikata.com/lp/

<事業内容>
①株式会社ミンナのミライ
就労継続支援A型事業所・現在28名のミンナ(利用者さん)が在籍。
施設内では主にPCでの入力作業やリスト作成・名刺入力・AI教師データの作成を行い、施設外就労ではタイヤの脱着作業や草刈り、農家の手伝い等を行う。

②株式会社ミンナのナカマ
就労継続支援B型事業所・現在30名のミンナ(利用者さん)が在籍。
施設内ではPCでの名刺入力や内職作業を行い。施設外ではタイヤホイールの磨きを行う。

③株式会社ミンナのシゴト
全国の就労支援事業所にシゴトを提供するお仕事マッチングサービス【ミンナのシゴト】を展開。
ミンナのシゴトシステムを使い、東京等から受注した大型のPC入力作業を就労支援事業所にマッチング。今現在、企業は上場企業8社と業務提携。登録就労支援事業所は210箇所に登り、約4200名の就労支援事業所で訓練を受けている働く土台に立っている障がい者が在籍。
近日リリースになりますが、大手リユース企業とも業務提携を行い、内職関係も全国の就労支援事業所に提供していく。他社のBPOと違い自社で就労支援事業所を運営している事で、作業の検証等も可能。その為、就労支援事業所も安心して仕事の受注が出来る。又、障がい者を中心としたSDGsの活動にも力を入れています。

ABOUTこの記事をかいた人

上前 忠司 (日本障害者雇用総合研究所代表)

[障害者雇用コンサルタント]
雇用義務のある企業向けに障害者雇用サポートを提供し、障害者の雇用定着に必要な環境整備・人事向け採用コーディネート・助成金相談、また障害者人材を活かした事業に関するアドバイスを実施。障害者雇用メリットの最大化を提案。その他、船井総研とコラボした勉強会・見学会の開催や助成金講座の講師やコラム執筆など、障害者雇用の普及に精力的に取り組んでいる。

▼アドバイス実施先(一部抜粋)
・opzt株式会社・川崎重工業株式会社・株式会社神戸製鋼所・沢井製薬株式会社・株式会社セイデン・日本開発株式会社・日本電産株式会社・株式会社ティーエルエス・パナソニック株式会社・大阪富士工業株式会社・株式会社船井総合研究所・株式会社リビングプラットフォーム