今回、インタビューにご協力いただきましたのは、社会福祉法人あさか会が運営している「STAIR(ステアー)」様です。
こちらの事業所は一般就労を目指した就労移行支援事業所で、現在利用されてる方々は20代の人たちが多く、皆さんひとりひとりがイキイキと訓練に励まれています。インタビューにお答えいただきましたのは、管理者の中(なか)様です。
療育ゲーム(コミュニケーションツール)の様子
1.読者向けに施設の紹介をお願いします。
2.施設で提供している支援の内容とその流れを教えてください。
具体的な内容は、軽作業の仕事を実際に企業から請負い、その仕事の納期や進捗状況などの管理を利用者の方に任せて、実際の仕事として取り組んでもらっています。ピッキング、ビジネスマナー、企業見学会(月1回)、アナログゲームにてコミュニケーションスキルの向上、自立訓練(金銭管理など)、学習の訓練を提供しています。
流れについては、事業所で訓練を行い、支援員とも関係性が築けてきたタイミングで、企業実習を大体2〜4回は参加される方が多いです。その後、自分にあった職種の理解や、やりたい仕事が見つかれば就職活動を行います。就職後も企業へ訪問し、本人支援はもちろんですが、企業が本人とうまく関われるように企業支援を行い、本人が働き続けられるようにサポートしています。
3.支援に関して、今後力を入れていきたいことはありますか?
しかし、精神障がい、発達がいというのは、目に見えない障がいと言われているので企業の従業員の方も対応が難しく、定着がうまくいかない事例をよく耳にします。2018年から定着支援サービスが開始されるので、今後は更に定着支援にも力を入れていきたいと思います。
また、働いてからの支援も大切ですが、それ以前に本人と企業がマッチングできるかどうを見極める力が求められる職種となりますので、そのあたりのスタッフのスキルの向上に向けて事業所全体で取り組んでいきたいと思います。
4.現在の障がい者の就労・就職全般に感じる問題点・困っている事はありますか?
支援員である私たちが本人と企業をどのようにサポートしていくかによって、働きつづけられるかが左右してもおかしくない重要な役割であると認識しておりますので、企業と関係性を築いて連携していける事業所が今よりもっと増えていけばと感じております。
5.障がい者の受け入れに悩んでいる企業へのエールをお願いします。
まずはインターンのように職場体験で受入をしてみるのも良いと思います。例えば、月・水・金の半日だけから始めるでも問題ないと思います。その企業さんのスタートしやすい所から始めることが大切だと感じますし。また、職場体験では費用もかかりませんので、始めやすいかと思います。障がいのある方がどのような仕事ができるのかイメージが湧かない企業さんは、私たちのような就労移行支援事業所に見学に行って訓練している様子を見るだけでも、イメージが湧くのではないかと思います。
障害者雇用をされている企業さんに、『障害者雇用をして良かったこととは何か?』と聞くと、ほとんどの企業さんが「職場の雰囲気が明るくなった」「従業員が良い意味で変わった。」「従業員同士のコミュニケーションが増えた」「しっかり戦力として働いてもらっている」このような事を言われています。どこから初めて良いか分からない時は、ご相談ください。
6.就職準備中・求職活動中の障がいを持った方へのエールをお願いします。
インタビューにご協力いただきありがとうございました。
面談の様子
施設名:STAIR(ステアー)
代表者名:管理者 中 知也
設立日:2003年8月(STAIRへの移転は2016年2月)
業種:障がい福祉サービス
所在地:大阪市住吉区我孫子東2-7-13-303
ホームページ:http://www.asakakai.com/
事業内容:就労移行支援事業
STAIRの特徴は、療育手帳をお持ちの知的障がい・発達障がいのある方が利用しています。利用者の平均年齢は20代前半と比較的に若い方が多い事業所です。年齢が近いからか、利用者同士も仲もよく「友達ができました」と話す人もいます。