今回、インタビューにご協力いただきましたのは、全国に51拠点の障がい者就労移行支援事業を展開している「ディーキャリア」です。
インタビューにお答えいただきましたのは、「ディーキャリア」管理者兼サービス管理責任者の丸山剛広さんになります。
1.読者向けに施設の紹介をお願いします。
2.施設で提供している支援の内容とその流れを教えてください。
- 「生きやすさ」= 自己理解を深めるライフスキルコースでは、職種・障がいの有無を問わず、働く上で必要とされる基礎的な能力を習得します。
- 「働きやすさ」= 仕事スキルを高めるワークスキルコースでは、業務遂行力と実用スキルの習熟度を高め、適性を見極めていきます。
- 「働き続ける」= 継続するコツを掴むリクルートコースでは、強みを活かして活躍できる就職を目指します。
これらのコースを通じて、就職までサポートしています。
3.支援に関して、今後力を入れていきたいことはありますか?
昨今、コロナ禍でリモート自粛が増え、クリニックもオンライン診断が始まりました。
在宅勤務を中心とする企業での新しい働き方、転職活動時のオンライン面接なども含めて、従来の支援のやり方ではうまくサポートできないことも出てきました。
現在もオンラインでの在宅支援なども行っていますが、今後はあらゆる社会資源を使用して、利用者さんが環境に負けない状態を創り出していきます。
4.現在の障がい者の就労・就職全般に感じる問題点・困っている事はありますか?
しかし、それにとらわれすぎてしまって、個々の性格・価値観までも「特性」ととらえて過度に配慮している企業が多くあるように感じます。
たとえば極端な例ですが、性格的に人見知りの人に対して、対面コミュニケーションが苦手だと考えて、チャットでしかやり取りしないなどです。
こうなると本人は職場の仲間とのコミュニケーション機会が減ってしまい、自尊心やモチベーションの低下につながってしまいます。
人に対して配慮することはもちろん良いことですが、環境によって制限がかかってしまうことも、実は多くあります。
電話の音が気になるのであれば、電話から遠ざける。集中しづらいのであれば、窓際の集中しやすい場所にデスクを置く。
そうした環境をつくることが発達障がいの方の活躍の場を広げることにつながるので、環境に対するアプローチの大切さも、より浸透していくと良いと思います。
5.障がい者の受け入れに悩んでいる企業へのエールをお願いします。
障がいによる困難さだけではなく、一人ひとりのできることや得意なことに目を向け、そのうえで「どんな業務を担当するか」をご本人と一緒に考えていけるのがベストです。
配慮することは勿論大切ではありますが、受け入れる側の過剰な配慮は本人の成長や自立を妨げる要因に繋がることもあります。
どんな業務を託すべきか、どんな配慮が望ましいか、は本人と一緒に実際の業務を進める中で模索していく。
ぜひ、対等な視点で物事をとらえていただき、ともに合意形成を取りながら働いていくという意識が持てると、おのずと良い環境と関係が作り出せると考えております。
6.就職準備中・求職活動中の障がいも持った方へのエールをお願いします。
時には活動が上手くいかない、つまずいてしまうこともあるかと思います。
しかし、様々な経験を経ていくことで見えてくる世界もある。
成功も失敗も一つひとつの積み重ねを大切にしながら、一歩踏み出す勇気を持っていただきたいです。
最高の自己決定ができるように「自分に挑戦」の精神で新しい扉を開いてほしいと思います。
ご協力ありがとうございました。
施設名:就労移行支援「ディーキャリア」芝浦オフィス
代表者名:ハッピーテラス株式会社 代表取締役CEO 上岳史
設立日:2014年7月
業種:障がい者支援事業
所在地(本社):東京都港区芝浦4-12-31 VORT芝浦Water Front 6階
ホームページ:https://happyterrace.co.jp/
事業内容:児童発達支援「ハッピーテラスキッズ」・放課後等デイサービス
「ハッピーテラス」・就労移行支援「ディーキャリア」・自立訓練(生活訓練)
「ディーカレッジ」の運営、またそれに伴う発達障がいの特性に応じたプログラム提供
発達・精神障がいの方の退職理由から逆算して設計したプログラムで、長く安定して働くことを利用者の方と共に目指しています。
最近では、復職を目的に利用される方も非常に多いのも特徴です。